海外ジャーナルクラブ
2年前
Lamontagne Fらは、 ICUで昇圧剤投与を受けている成人敗血症患者を対象に、 ビタミンC静脈内投与の効果を検討する無作為プラセボ対照試験を実施 (LOVIT試験). その結果、 ビタミンC静注群は28日後の死亡または持続的な臓器機能不全のリスクが高いことが示された. 本研究はNEJM誌において発表された.
集中治療室 (ICU)で昇圧療法を受けている敗血症の成人患者に対するビタミンCの静脈内投与を評価した研究では、 死亡や臓器機能不全のリスクに関してさまざまな結果が示されている. ビタミンC静注群はプラセボ群に比べ、 28日後の死亡または持続的な臓器機能不全のリスクが高いことが示された
ICUで昇圧剤投与を受けている成人敗血症患者へのビタミンC静注群はプラセボ群に比べ、 28日後の死亡または持続的な臓器機能不全のリスクが高いことが示された.
日本版敗血症ガイドライン2020では敗血症患者に対して、 ビタミンCの投与を行うことを弱く推奨する(GRADE 2D:エビデンスの 確実性 =「非常に低」)とされている. その一方で本研究結果では、昇圧薬投与を受けている敗血症患者においてはビタミンC投与は死亡または臓器機能不全のリスクが高いことが示された. つまりPICOが微妙に違うが逆の結果である. GRADE2Dの推奨を頭ごなしに実診療に当てはめることがいかに難しいかよくわかる研究成果である. 大切なことはガイドラインをいつも手元でよくみられる状態にしておくことです。
ビタミンC関連研究は近年、Critical Care誌で随分取り上げられてきましたが、この研究結果で一旦一区切りと言えるのではないでしょうか
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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