【第Ⅲ相試験】腎細胞癌に対するスニチニブ
著者

HOKUTO編集部

1年前

【第Ⅲ相試験】腎細胞癌に対するスニチニブ

【第Ⅲ相試験】腎細胞癌に対するスニチニブ
未治療の転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者において、 スニチニブ投与の効果を、 インターフェロンα (IFN-α) を対照に検証した第Ⅲ相比較試験NCT00083889の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) および奏効率 (ORR) 、 患者報告アウトカムに対する有益性が示された。

原著論文

Sunitinib versus interferon alfa in metastatic renal-cell carcinoma. N Engl J Med. 2007 Jan 11;356(2):115-24. PMID: 17215529

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第Ⅲ相試験の概要

対象

未治療で転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者

方法

750例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • スニチニブ群 (375例)
スニチニブ50㎎を1日1回4週間経口投与後、 2週休薬
  • インターフェロンα (IFN-α) 群 (375例)
1週目は1回3MU、 2週目は6MU、 以降は1回9MUを週3回皮下注射

評価項目

  • 主要評価項目:PFS
  • 副次評価項目:ORR、 全生存期間 (OS)、 患者報告アウトカム、 安全性

第Ⅲ相試験の結果

患者背景

両群間で同様であった。

PFS中央値

  • スニチニブ群:11ヵ月
(95%CI 10-12ヵ月)
  • IFN-α群:5ヵ月
(95%CI 4-6ヵ月)
HR 0.42 (95%CI 0.32-0.54)、 p<0.001

PFSのサブグループ解析

Memorial Sloan-Kettering Cancer Center (MSKCC) の基準に基づく予後リスクに従って、 3つのカテゴリー (favorable、 intermediate、 poor) に分類。 3つ全てのカテゴリーで、 PFS中央値はスニチニブ群の方がIFN-α群よりも長かった。

OS中央値

初回報告時、 OS中央値は両群いずれも未到達だったものの、スニチニブ群のIFN-α群に対するHRは0.65 (95% CI 0.45-0.9) 、 P=0.02と改善傾向を認めた。

ORR (95%CI)

  • スニチニブ群:31%
(95%CI 26-36%)
  • IFN-α群:6%
(95%CI 4-9%)
p<0.001

患者報告アウトカム

  • Functional Assessment of Cancer Therapy-GeneralおよびFACT-Kidney Symptom Indexの質問票を使用
  • スニチニブ群でIFN-α群よりも有意に良好であった
P<0.001

有害事象

  • Grade3-4の有害事象を示した患者は、 両群とも比較的少なかった。
  • スニチニブ群で有意に多かった有害事象は、 下痢、 嘔吐、 高血圧、 手足症候群。
  • IFN-α群で有意に多かったのは、 疲労。
  • 有害事象のため投与中断されたのは、 スニチニブ群38%、 IFN-α群32%。

著者らの結論

スニチニブ投与は、 IFN-α投与と比較し、 PFSが有意に長く、 ORRを改善させ、 患者アウトカムも良好であることが示された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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