メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
27日前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。 今回は 「リーダーシップの能力を高める5つのコツ」 を解説します。
Take home message
前回はリーダーシップの6つのタイプについて学びました。 今回は、 リーダーシップをさらに高めるための具体的なコツを5つお伝えします。
リーダーシップを向上させるために、 まずはできるだけ多くのリーダーシップの体験を積み重ねることが重要です。 これまで経験が少なく自信がない方は、 小さなものから始めてみることがポイントです。
例えば友人との間で少人数の勉強会を企画する、 担当の患者さんに関して関係する多職種のミーティングを企画するといったことから始めてみて、 自信がついてきたら研修医全体、 院内・外のグループでのリーダーシップなど、 さまざまなシチュエーションで体験してみてください。
リーダーシップを磨くにあたり、 ロールモデルやメンターが近くにいると、 より身につけることができます。 皆さんの周囲にいる、 信頼できる指導医や先輩を見つけ、 その行動や決断を観察しましょう。
これらのメンターに、 自分のリーダーシップに関するフィードバックをお願いすることで、 自分の思考や行動を客観的に見直す助けになることがあります。
リーダーシップを発揮するためには、 自分自身をよく知ることが大切です。 自分の強みは何か、 苦手な部分や伸ばしたい能力はどこかなど、 定期的に振り返る習慣をつけましょう。
自分に足りない部分を具体的に明確にすることで、 目標を持って成長に取り組むことが可能となります。
リーダーシップ向上のための研修やコースに参加することも、 非常に効果的です。 全国で開催されるセミナーやオンライン学習は、 忙しい医学生・研修医でも取り組みやすいものが多くあります。
医療現場に特化したリーダーシップ研修や、 チームマネジメントやコミュニケーションスキルを学べるワークショップなど、 自分の興味や必要性に合ったプログラムを選び、 体系的に学ぶことで自信につながります。
リーダーシップを発揮するうえでは、 広い視野と柔軟性は欠かせません。 さまざまな背景を持つ人々と接することで、 新たな視点を得られるだけでなく、 コミュニケーション能力も磨かれます。
他職種の医療スタッフ (看護師、 薬剤師、 ソーシャルワーカーなど) と積極的に意見交換をしたり、 異なる専門分野や年齢層の人々とディスカッションしたりすることも有用です。 多様な考え方に触れることで、 リーダーシップの幅が広がり、 より柔軟な対応ができるようになります。
リーダーシップは特別な人だけのスキルではなく、 日々の努力で誰でも育てられるものです。 皆さんも上記の5つのコツのうち、 始めやすいものから是非実践してみてください。
連載バックナンバー
第11回 : クレーム対応のコツ① 知っておきたい2つのギャップ
第12回 : クレーム対応のコツ② 円滑に進めるための4つのポイント
第13回 : クレーム対応のコツ③ 実践で活用できる4つのフレーズ
レジデントのためのビジネススキル・マナー
医師として成功の一歩を踏み出す仕事術55
本書では自分が失敗から学んできた社会人としての院内・院外で必要なマナーや、 医師としての心得、 自己成長を成し遂げていくために必要な仕事術を解説していきます。 特に若手医師の皆さんにこれらを少しでも早い段階で共有することにより、 医師としてのキャリアを成功させるためのお手伝いが少しでもできれば幸いです。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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