海外ジャーナルクラブ
2年前
Etohらは、 局所進行胃癌の患者を対象に、 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 (LADG) と開腹幽門側胃切除術 (ODG) の5年生存率を多施設共同非盲検非劣性ランダム化比較試験で検証。 その結果、 資格のある外科医によって実施される場合、 局所進行性胃癌に対するD2リンパ節郭清を伴うLADGは、 開腹幽門側胃切除術 (ODG) に非劣性であることが明らかとなった。 本研究は、 JAMA Surg誌において発表された。
本邦のみでのRCTであるため、 BMIの中央値が22.5と欧米人に比較して肥満の割合が低いこと、 また欧米では日本よりも胃癌の発生率が低いことから外科医の経験症例数が制限されることが、 本研究成果の一般化に関する課題と言えそうです。
局所進行胃癌に対するLADGに関するエビデンスは、 過去の前向き研究における主要評価項目が追跡期間中央値3年での評価であるため、 現時点では不十分である。 LADGの非劣性を検証するためには、 より強固なエビデンスが必要である。
局所進行胃癌患者
患者を以下の群に1:1の割合でランダムに割り付け。
手術は、 資格を有する外科医のみが行った。
5年無再発生存率 (RFS)
HRの非劣性マージンは1.31に設定された。
5年全生存期間 (OS) と安全性であった。
術後の重篤な合併症に2群間で有意差は認められなかった (P=0.64)。
5年OSには2群間で有意差は認められなかった。
再発のパターンも2群間で同様であった。
5年間の追跡データに基づいて、 資格を有する外科医が行った場合、 局所進行胃癌に対するD2リンパ節郭清を伴うLADGは、 ODGと比較して非劣性であることが証明された。 この腹腔鏡アプローチは局所進行胃癌の標準治療となる可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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