インタビュー
2日前
東京都済生会中央病院 (東京都港区) は、 路上生活者も受け入れる総合診療病棟 「N棟」 があり、 N棟での研修を希望する初期研修医も多いです。 今回は研修の特徴などについて、 臨床研修室室長の足立智英先生、 腫瘍内科の三宅広晃先生、 初期研修医 (2年次) の淺田晃平先生に話を聞きました。
――研修プログラムの特徴を教えてください
足立先生
「最大の特徴は『自立』と『自律』を育む環境です。 例えば、 N棟では医療だけでは解決できない社会的背景を抱えた患者さんを研修医が中心となって診療しています」
「初期研修の終わりには研修の総まとめとしてレジデント発表会を実施しています。 研修医自身がテーマを決めて調査・研究をする際、 テーマによっては医事課や看護部門といった他職種への取材もします。 病院の運営や患者支援体制について教えてもらったり、 現場のデータを共有してもらったりすることで、 より多角的な視点も養えると考えています」
三宅先生
「脳神経外科に進んだ同期が当院で研修していた時、 自主的に『緊急手術があれば入らせてください』と申し出たところ、 上司の先生が手はずを整えてくれたと聞きました。 研修医の意欲を尊重し、 やりたいことを自由に学べる環境があると思います」
――指導医と研修医の関係性で特徴的な点はありますか?
足立先生
「多くの診療科では、 研修医が患者さんを診て診療方針を考え、 上級医・指導医がレビューする形になっています。 その場で指導医のアドバイスがもらえるため、 実践力を高める貴重な機会にもなっています。 また、 モーニングカンファレンスでは、 2年目の研修医が1年目に向けてレクチャーを行っています。 教えることは一番の学びになりますし、 指導医とともに教えることでさらに深い学びになると考えています」
三宅先生
「たとえ研修医の意見に不備があっても、 しっかり考えた上での提案であれば尊重され、 成長する機会を与えてもらえます」
――済生会中央病院を研修先に選んだ理由は?
淺田先生
「救急科と内科のプログラムが充実していたからです。 病院見学時に、 同期同士で教え合いながら成長している様子が印象的で、 先輩が後輩に熱心に指導している姿、 後輩が積極的に学ぼうとしている雰囲気も決め手の一つです。 『良い仲間でありながら、 良いライバルでもある』という関係性に強く惹かれました」
足立先生
「当院の救急は三次救急まで受け入れていますが、 主体は1,2次救急です。 豊富なcommon diseaseとともに、 希少疾患を診療できる体制も整えています。 研修医がプライマリーケアを習得するために十分な環境だと思います」
――初期研修で印象に残っている経験は?
淺田先生
「N棟での診療が印象に残っています。 あるホームレス患者さんは医学的には入院が必要な状態にもかかわらず、 自宅に戻りたいとの希望を持っていました。 治療をしなければ命に関わる状態でしたが、 強い覚悟と強い意志に触れて、 自分が提示する選択肢が本当に最善なのかを深く考えさせられました」
――研修医同士や上級医との関係は?
淺田先生
「研修医だけが使える『研修医室』があります。 業務の合間に休憩したり、 相談したいことがあったらすぐに集まって話したりする憩いの場になっています。 同期と話すことで新しい視点を得ることも多く、 何よりリラックスできます。 研修医にとって、 こうした時間はかけがえのないものだと感じます」
――医学生へのメッセージを。
足立先生
「主体的に学びたい人にとって非常にやりがいのある環境です。 忙しいですが、 やる気があって積極的な人は特にマッチするでしょう」
三宅先生
「元気でやる気のある人は、 当院に向いていると思います。 部活や勉強、 アルバイトなど何かを一生懸命やったことのある人なら大活躍できる環境です。 ぜひ一緒に頑張りましょう」
淺田先生
「お互いを尊敬し合いながら、 それぞれの意見をしっかりと言い合える関係性が魅力です。 後輩とそのような関係性を築きながら、 一緒に働ける日を楽しみにしています」
▶東京都済生会中央病院 ホームページ
▶同病院 初期臨床研修医募集ページ ホームページ
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。