海外ジャーナルクラブ
1日前

Bwakura-Dangarembiziらは、 ウイルス学的抑制が得られているアフリカの12歳以上20歳未満のHIV感染者を対象に、 長時間作用型注射 製剤(LAI)であるカボテグラビル+リルピビリンの8週ごとの投与と、 経口薬のドルテグラビル+ラミブジン+テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の配合剤 (TLD) の毎日の投与を非盲検無作為化比較試験 (LATA) で比較した。 その結果、 96週までにウイルス量50コピー/mL以上が2回連続で確認された参加者の割合はLAI群で0.9%、 TLD群で6.4%であり、 TLDに対するLAIの非劣性および優越性が示された。 試験結果はLancet誌に発表された。
対象はARTによりウイルス抑制が良好な思春期患者に限定されており、 LAIの恩恵が大きいと考えられる服薬アドヒアランス不良例や治療失敗例への一般化には限界があります。
青年期のHIV感染者は他の年齢層と比べて治療成績が不良であるため、 LAIによる抗レトロウイルス療法 (ART) が有益な可能性がある。 本試験では、 ウイルス学的抑制を達成したアフリカのHIV陽性の青年を対象に、 カボテグラビル+リルピビリンを用いたLAIの有効性と安全性を毎日の経口ARTと比較した。
本試験はアフリカのHIV陽性の青年における経口ARTに対するLAIの非劣性を検証することを目的とした多施設共同・非盲検・無作為化比較試験である。 ケニア、 南アフリカ、 ウガンダ、 ジンバブエの5施設において、 12ヵ月超にわたってウイルス学的抑制 (HIV-1ウイルス量50コピー/mL未満) を達成し、 治療失敗歴のない12歳以上20歳未満のHIV陽性の青年が試験に登録され、 以下の2群に1:1で無作為化された。
主要評価項目は、 96週までにウイルス量50コピー/mL以上が2回連続して確認された参加者の割合 (調整Kaplan-Meier法、 ITT解析) であった。 非劣性マージンは対照群のイベント率に応じて設定し、 イベント発生率が6%の場合は8.9%㌽ 、 信頼区間は99%CIとした。 非劣性が示された場合には優越性の検証に進むとした。
LAI群はTLD群に対する非劣性の基準を満たしたうえで、 ウイルス学的失敗の割合がTLD群と比べて有意に低く、 優越性が示された。
96週までにウイルス量50コピー/mL以上が確認された参加者の割合
群間差 -5.5%㌽ (99%CI -10.3~-1.5%㌽), 優越性p=0.0013
重篤な有害事象とGrade 3以上の有害事象のいずれについてもLAI群とTLD群に有意差は認められなかった。 治療に関連した重篤な有害事象は過敏反応のみであった。
重篤な有害事象
HR 1.16 (95%CI 0.54–2.51), p=0.71
Grade 3以上の有害事象
HR 1.07 (95%CI 0.62–1.83), p=0.81
Grade 3以上の有害事象には、 LAI群の注射部位反応4件が含まれた。 LAIを完全に中止したのは7例で、 その理由はウイルス量が200コピー/mL以上確認されたことが1例、 LAI関連の有害事象 (重篤な過敏反応、 非重篤な薬疹) が2例、 結核の発症が1例、 妊娠希望が2例、 参加者本人の希望が1例であった。
著者らは、 「ウイルス学的抑制を達成した青年期のHIV感染者において、 LAIのカボテグラビル+リルピビリンはTLDと比べてウイルス学的抑制の維持に優れる一方、 新たな安全性上の懸念は認められなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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