海外ジャーナルクラブ
2年前
Bakerらは、 関節リウマチ (RA) 患者を対象に、 生物学的製剤および分子標的合成性抗リウマチ薬 (b/tsDMARDs) 使用時の間質性肺疾患 (ILD) 発症リスクについて後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 トファシチニブによる治療を受けた患者は他のb/tsDMARDs治療を受けた患者と比較してILDの発生率が最も低かった。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。
RA治療薬と間質性肺炎の発症リスクとの関連を後ろ向きに評価しています。 発症リスクを後ろ向きに正確に評価するのは困難ですので、 JAMAシリーズにデフォルトとしてあるMeaningにも、 前向き研究の必要性について単純に言及しています。 逆にいうと、 現時点ではこれ以上言えない、 ということです。
RA患者におけるILD発症に対するb/tsDMARDの使用リスクについて、 現在のデータは不足している。
RAを有する成人患者。
アダリムマブ、 アバタセプト、 リツキシマブ、 トシリズマブ、 またはトファシチニブの新規投与。
ILDの発症に関する粗発生率 (IR)。
年齢、 性別、 人種と民族、 居住地域などで多重調整後に分析を行ったところ、 アダリムマブ治療を受けた患者と比較して、 トファシチニブ治療を受けた患者はILDのリスクが低かった。
prevalent new-userコホートの解析では、 トファシチニブによる治療を受けた患者は、 アダリムマブと比較してILDのリスクが68%減少した。
調整後のモデルでは、 トファシチニブ治療を受けた患者では、 アダリムマブ治療を受けた患者と比較して、 ILDのリスクが69%減少していた。
RA患者において、 トファシチニブ治療を受けた患者は他のb/tsDMARDs治療を受けた患者と比較してILDの発生率が最も低かった。 今後の研究において、 トファシチニブがRA患者におけるILDの予防に果たす役割をより深く理解するためには、 追加の前向き研究が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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