Kalimouttouらは､ ノルアドリナリンを投与中の敗血症性ショック患者に対するバソプレシンの最適な投与開始ルールを明らかにするため強化学習モデルを開発し､ 米国の1万4,453例のデータセットで検証した｡ 開発されたモデルでは､ 臨床医の行動と比較して､ 多くの患者で (87% vs 31%)､ 早期に (中央値 4 時間 vs 5時間)､ 少量のノルアドリナリン (中央値 0.20μg/kg/分 vs 0.37μg/kg/分) でのバソプレシン開始が推奨された｡ バソプレシンの投与開始がルールと同様の場合､ 異なる場合と比較して院内死亡率の調整オッズ比が低かった (OR 0.81 [95%CI 0.73-0.91])｡

📘原著論文

Optimal Vasopressin Initiation in Septic Shock: The OVISS Reinforcement Learning Study. JAMA. 2025 Mar 18:e253046. Online ahead of print. PMID: 40098600

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

｢shock onset｣ という表記が本文中に16回記載されていますが､ その定義がはっきりしません｡

関連コンテンツ

医療の最前線から

総説 敗血症と敗血症性ショック

N Engl J Med. 2024 Dec 5;391(22):2133-2146.

敗血症診療ガイドライン2024のポイント

❶敗血症の診断と感染源のコントロール

❷抗菌薬の選択と継続､ TDMについて

❸初期蘇生と循環作動薬

❹急性血液浄化､AKIへの介入について

❺DIC診断と治療について

🔢計算ツール

SOFAスコア / qSOFA / SIRSスコア

NEWS / APACHE II / SAPSⅡ