海外ジャーナルクラブ
1年前
Messaoudらは、 医学ジャーナルにおける査読依頼とその同意に関する性別と地域差について後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 査読者の大半が高所得国に属しており、 アジアやオセアニアへの依頼率が低いこと、 男性に比べ女性への依頼率が低いこと、 COVID-19パンデミック後に査読の同意率や査読者の所属地域性などが変化していることが明らかとなった。 本研究はBMJ誌において発表された。
査読依頼の同意率35%というのは1つの基準になると思います。 今回の研究では21の雑誌のうちimpact factorのついていない雑誌は1つでした。 IFがついていない雑誌というのは査読の同意率がかなり低い可能性があります。
2018年1月1日~21年5月31日に投稿された原稿の査読を依頼された査読者
BMJ出版グループの19誌と大型一般誌2誌
査読者の査読への同意
25万7,025人に査読が依頼され、 そのうち35.2% (9万467人) が査読に同意した。
依頼された査読者は主に高所得国 (21万7,682人;84.7%) に属していた。
性別 (男性と比べた女性のOR)
地域 (欧州と比較したOR)
国の所得 (高所得国と比較したOR)
編集者の性別 (男性と比べた女性のOR)
最終著者の所属地域 (欧州と比較したOR)
インパクトファクター (5未満と比較して10以上のOR)
査読プロセスの種類 (匿名と比較して公開のOR)
査読者の性別や地域による差異を減らし、 多様性を高めるためには、 編集者が戦略を立て、 女性や高中所得国・低所得国の研究者が査読に参加できるような環境を整備し、 その進捗状況を評価することが必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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