海外ジャーナルクラブ
2年前
D'Haens Gらは、 GEISTレジストリに登録されたたこつぼ症候群 (TTS) の患者を対象に、 ポジティブな感情的因子によるTTS (ハッピーハート症候群) の頻度や臨床的特性、 予後に与える影響を検討した. その結果、 ハッピーハート症候群はブロークンハート症候群と比較して男性患者に多く、 短期および長期の転帰は同様であることが明らかとなった. 本研究はJACC : Heart Failure誌において発表された.
多施設共同GEISTレジストリ*に登録されたたこつぼ症候群 (TTS) 患者2,482例をストレス要因によって分類し、 ポジティブな感情誘引によるTTSである "ハッピーハート症候群" の特徴を比較、検討した.
ハッピーハート症候群は、 ブロークンハート症候群と比較して男性患者の割合が高く、 左室中部での非定型バルーンニングを特徴とするまれなタイプのTTSである. 本研究では短期および長期の転帰は同様であったが、 より大きなサンプルサイズにおいて「ハッピーハート」において数値的に低いイベント率が統計的に有意であるかどうかを調査するために、 さらなるデータが必要である.
👨⚕️ HOKUTO監修医コメント
JACC (ジャック) は循環器系雑誌の中で、面白い研究テーマが採用されるイメージがありますね. なので読んでいて非常に興味深いです. 今回、 Abstractに長期アウトカムは同様と記載されていますが、 長期死亡率は2.7% (ハッピー) vs. 8.8% (ブロークン) の差をどう捉えるか、 βエラーと考えた方がいいかもしれませんね.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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