海外ジャーナルクラブ
14日前

国立循環器病研究センター脳血管内科分野の井上らの研究グループは、 機械的血栓回収術が予定された大血管閉塞脳卒中患者を対象に、 標準用量テネクテプラーゼ (0.25mg/kg) と低用量アルテプラーゼ (0.6mg/kg) を比較した。 その結果、 初回血管造影での実質的再灌流率は、 標準用量テネクテプラーゼ群で10.3%、 低用量アルテプラーゼ群で3.6%であり、 事前規定の成功基準を満たし標準用量テネクテプラーゼの優越性が示された。 機能的アウトカムおよび安全性に差はなかった。 試験結果はJAMA Neurolにおいて発表された。
治験薬供給の困難が懸念されたことから登録目標症例数を少なく設定しており、 その結果、 有効性評価では90%CIの下限が0を上回ることを成功基準とする比較的特殊な統計学的基準が採用されました。
テネクテプラーゼは急性虚血性脳卒中で標準用量アルテプラーゼに対し優れている可能性があるが、 日本においては低用量アルテプラーゼ (0.6mg/kg) が標準となっている。
本研究では、 標準用量テネクテプラーゼ (0.25mg/kg) と低用量アルテプラーゼを比較した。
本研究は、 日本で実施した医師主導・多施設共同・オープンラベル・優越性・無作為化比較試験である。
発症4.5時間以内に静注血栓溶解療法の適応があり機械的血栓回収術を予定する大血管閉塞脳卒中患者を対象とした。
主要評価項目は初回血管造影での実質的再灌流 (mTICI 2b-3または回収可能血栓なし) とした。 副次評価項目は90日mRSスコア、 安全性評価項目は症候性頭蓋内出血および90日死亡とした。
解析対象は218例 (標準用量テネクテプラーゼ群 : 107例、 低用量アルテプラーゼ群 : 111例) であった。
実質的再灌流において、 事前規定の成功基準を満たし、 テネクテプラーゼ群の優越性が示された。
実質的再灌流率
絶対差 6.5㌽ (90%CI 0.89-12.1㌽)
なお、 テネクテプラーゼは、 90日後の機能的アウトカムを改善する傾向はあるが、 共通オッズ比は1.47 (95%CI 0.92-2.35) であった。
症候性頭蓋内出血 (2.8% vs 1.8%) および死亡 (6.5% vs 9.9%) の割合は両群で同様であった。
著者らは、 「血栓回収術前の標準用量テネクテプラーゼは、 低用量アルテプラーゼに比べ、 早期の実質的再灌流率を高め、 機能的・安全性アウトカムは同等であることから、 低用量アルテプラーゼが標準の地域でも有望な選択肢である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。