【LIBRETTO-531】RET陽性甲状腺髄様癌、 セルペルカチニブがOS改善
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HOKUTO編集部

1年前

【LIBRETTO-531】RET陽性甲状腺髄様癌、 セルペルカチニブがOS改善

【LIBRETTO-531】RET陽性甲状腺髄様癌、 セルペルカチニブがOS改善
未治療のRET遺伝子変異陽性・進行甲状腺髄様癌 (MTC) 患者を対象に、 RET阻害薬セルペルカチニブの有効性と安全性を、 カボザンチニブまたはバンデタニブ (医師選択治療) と比較したLIBRETTO-531試験の結果、 副次評価項目である全生存期間 (OS) が有意に延長し、 患者報告による忍容性も改善した。 国立がん研究センター東病院頭頸部内科長の田原信氏が発表した。
【LIBRETTO-531】RET陽性甲状腺髄様癌、 セルペルカチニブがOS改善

背景

セルペルカチニブの有益性は報告済

第Ⅲ相試験LIBRETTO-531の主解析の結果、 主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) は、 セルペルカチニブ群でカボザンチニブ/バンデタニブ群に比べ有意に延長した (ハザード比 [HR] 0.28、 95%CI 0.16-0.48、 P<0.001)¹⁾。

LIBRETTO-531試験の概要
チロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) 未治療の切除不能な局所進行性または転移性のRET遺伝子変異陽性MTC患者291例を対象に、 以下の2群に無作為に割り付けた (RET遺伝子変異は次世代シークエンサー [NGS] またはPCRで確認)。
セルペルカチニブ群193例 : セルペルカチニブ 160mg 1日2回
カボザンチニブ/バンデタニブ群98例 : カボザンチニブ 140mg 1日1回 または バンデタニブ 300mg 1日1回 (医師が選択)。 増悪後にセルペルカチニブへのクロスオーバーが可能。

追跡期間延長時の有効性と安全性を評価

本発表では、 2023年5月のデータカットオフ¹⁾から追跡期間を10ヵ月延長した最新のPFSデータに加え、 副次評価項目であるOS、 治療継続生存期間 (TFFS)、 奏効率 (ORR)、 患者報告による忍容性、 および安全性の最新データが報告された。

結果

RET変異は9割がNGSで検出

患者背景は両群間で概ねバランスが取れており、 年齢中央値は約55歳、 アジア人の割合は約3割であった。

RET遺伝子変異は9割がNGSで検出され、 M918T変異が約6割、 その他が約4割を占めた。

死亡リスクが72%減少し、 2年OSは95%

  • PFS中央値

カボザンチニブ/バンデタニブ群で13.9ヵ月であったのに対し、 セルペルカチニブ群では未到達となり、 有意に延長した (HR 0.20、 95%CI 0.13-0.32、 P<0.0001)。

  • OS中央値

両群ともに未到達であったが、 セルペルカチニブ群で有意にOSが延長した (HR 0.28、 95%CI 0.12-0.61、 P<0.001)。

2年OSはセルペルカチニブ群で95.2%、 カボザンチニブ/バンデタニブ群で85.4%であった。

  • TFFS中央値

カボザンチニブ/バンデタニブ群で13.8ヵ月であったのに対し、 セルペルカチニブ群では未到達となり、 有意に延長した (HR 0.17、 95%CI 0.11-0.27、 P<0.0001)。

  • ORR

カボザンチニブ/バンデタニブ群で44% (95%CI 34-54) に対し、 セルペルカチニブ群では82% (95%CI 76-88) と改善した。

奏効のオッズ比は6.0 (95%CI 3.5-10.4、 P<0.0001) であった。

  • 患者報告による忍容性

「副作用による大きな負担」 と報告された割合は、 カボザンチニブ/バンデタニブ群で25%であったのに対し、 セルペルカチニブ群では8%と有意に改善した (P<0.0001)。

新たな有害事象として勃起不全が報告

セルペルカチニブの安全性プロファイルは概ね従来の報告と一致していたが、 新たな有害事象として勃起不全が報告された。 セルペルカチニブ群の男性患者の16%で勃起不全が発生し、 カボザンチニブ/バンデタニブ群からセルペルカチニブにクロスオーバーした患者の12.5%でも確認された。

また、 グレード3以上の治療関連有害事象の発生率はセルペルカチニブ群で62%、 カボザンチニブ/バンデタニブ群で81%と、 セルペルカチニブ群の方が低かった。

減量率 (46% vs 83%)、 治療中止率 (6% vs 31%) もセルペルカチニブ群の方が低く、 忍容性が良好であることが示唆された。

結論

2年OSの差を考慮し、 RET陽性MTCの1次治療はセルペルカチニブが推奨

田原氏は、 「追跡期間の延長により、 セルペルカチニブの優位性が維持され、 主要および副次評価項目の差がさらに拡大した。 特に、 2年OSの差は、 進行性MTC患者に対し、 RET遺伝子変異をルーチンで検査し、 1次治療としてセルペルカチニブを使用する重要性を強調している」 と述べた。

出典

  1. N Engl J Med. 2023, 389(20):1851-1861.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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