HOKUTO編集部
1年前

未治療のRET遺伝子変異陽性・進行甲状腺髄様癌 (MTC) 患者を対象に、 RET阻害薬セルペルカチニブの有効性と安全性を、 カボザンチニブまたはバンデタニブ (医師選択治療) と比較したLIBRETTO-531試験の結果、 副次評価項目である全生存期間 (OS) が有意に延長し、 患者報告による忍容性も改善した。 国立がん研究センター東病院頭頸部内科長の田原信氏が発表した。

第Ⅲ相試験LIBRETTO-531の主解析の結果、 主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) は、 セルペルカチニブ群でカボザンチニブ/バンデタニブ群に比べ有意に延長した (ハザード比 [HR] 0.28、 95%CI 0.16-0.48、 P<0.001)¹⁾。
本発表では、 2023年5月のデータカットオフ¹⁾から追跡期間を10ヵ月延長した最新のPFSデータに加え、 副次評価項目であるOS、 治療継続生存期間 (TFFS)、 奏効率 (ORR)、 患者報告による忍容性、 および安全性の最新データが報告された。
患者背景は両群間で概ねバランスが取れており、 年齢中央値は約55歳、 アジア人の割合は約3割であった。
RET遺伝子変異は9割がNGSで検出され、 M918T変異が約6割、 その他が約4割を占めた。
カボザンチニブ/バンデタニブ群で13.9ヵ月であったのに対し、 セルペルカチニブ群では未到達となり、 有意に延長した (HR 0.20、 95%CI 0.13-0.32、 P<0.0001)。
両群ともに未到達であったが、 セルペルカチニブ群で有意にOSが延長した (HR 0.28、 95%CI 0.12-0.61、 P<0.001)。
2年OSはセルペルカチニブ群で95.2%、 カボザンチニブ/バンデタニブ群で85.4%であった。
カボザンチニブ/バンデタニブ群で13.8ヵ月であったのに対し、 セルペルカチニブ群では未到達となり、 有意に延長した (HR 0.17、 95%CI 0.11-0.27、 P<0.0001)。
カボザンチニブ/バンデタニブ群で44% (95%CI 34-54) に対し、 セルペルカチニブ群では82% (95%CI 76-88) と改善した。
奏効のオッズ比は6.0 (95%CI 3.5-10.4、 P<0.0001) であった。
「副作用による大きな負担」 と報告された割合は、 カボザンチニブ/バンデタニブ群で25%であったのに対し、 セルペルカチニブ群では8%と有意に改善した (P<0.0001)。
セルペルカチニブの安全性プロファイルは概ね従来の報告と一致していたが、 新たな有害事象として勃起不全が報告された。 セルペルカチニブ群の男性患者の16%で勃起不全が発生し、 カボザンチニブ/バンデタニブ群からセルペルカチニブにクロスオーバーした患者の12.5%でも確認された。
また、 グレード3以上の治療関連有害事象の発生率はセルペルカチニブ群で62%、 カボザンチニブ/バンデタニブ群で81%と、 セルペルカチニブ群の方が低かった。
減量率 (46% vs 83%)、 治療中止率 (6% vs 31%) もセルペルカチニブ群の方が低く、 忍容性が良好であることが示唆された。
田原氏は、 「追跡期間の延長により、 セルペルカチニブの優位性が維持され、 主要および副次評価項目の差がさらに拡大した。 特に、 2年OSの差は、 進行性MTC患者に対し、 RET遺伝子変異をルーチンで検査し、 1次治療としてセルペルカチニブを使用する重要性を強調している」 と述べた。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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