海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前

Rugoらは、 トラスツズマブ デルクステカン (T-DXd) 治療について、 間質性肺疾患および肺炎 (ILD) からの回復後のT-DXd再投与とILD再発について大規模統合解析を行った。 その結果、 グレード1のILDによる治療中止後、 中止患者の23%が再投与に至った。 そのうち33%がIDLを再発したが、 すべてグレード1または2で管理可能なものであったことから、 再投与後の安全性が示されたとした。 試験結果はAnn Oncol誌に発表された。
対象となった9試験中7試験は、 T-DXd関連間質性肺疾患に対する正式な管理ガイドライン導入前に開始されたものであり、 一部の対象者では予後や再発状況が不明または欠測となっているのがlimitationです。
トラスツズマブ デルクステカン (T-DXd) は、 複数の固形腫瘍に対する抗体薬物複合体であり、 間質性肺疾患および肺炎 (ILD) のリスクを伴う。 治療ガイドラインでは一般的に、 グレード1のILDの発現で治療を中断し、 画像所見の解消後に再投与が可能とされている。 本統合解析では、 グレード1のILDから回復後のT-DXd再投与期間およびILDの再発について検討した。
HER2陽性、 HER2低発現、 またはHER2 (ERBB2) 変異を有する固形腫瘍患者を対象とした9件の臨床試験データを統合し、 T-DXd (5.4~8.0 mg/kg) 治療を受けた患者について解析した。 ILDイベントは担当医師により報告・グレード分類され、 独立判定委員会で薬剤関連が確認された。 最初のILDから回復した患者は、 T-DXdの再投与を受けることができ、 病勢進行またはデータカットオフまで評価された。
2,145例の患者のうち、 9% (193例) がグレード1のILD1を経験し、 そのうちの23.3% (45例) がT-DXd再投与を受けた。
再投与期間は中央値85日 (範囲 : 1~848日) であり、 再投与患者でのILD再発率は33.3%であった。 再発までの期間は中央値64日 (範囲 : 22~391日) であった。 再発したILDはすべて低グレードであった (グレード1 : 6例、 グレード2 : 9例、 グレード3以上または致死的イベント : なし)。
T-DXd再投与中止の理由は、 病勢進行 (33.3%)、 ILD再発 (20%)、 ILD以外の有害事象 (17.8%)、 医師の判断 (4.4%) であった。
解析時点で、 再投与患者の24.4%が治療を継続しており、 ILD再発患者の大半 (60%) は後遺症の有無にかかわらず回復していた。
著者らは、 「本解析により、 グレード1のILDから回復後のT-DXd再投与の安全性が示された。 ILDは3分の1の患者で再発したがすべてグレード1または2であり、 既存の治療ガイドラインにより管理可能であった。 グレード1のILD解消後のT-DXd再投与は、 治療効果を最大化する可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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