海外ジャーナルクラブ
2年前
Erbaらは、 新規に診断されたFLT3-ITD変異陽性急性骨髄性白血病 (AML) 患者を対象に、 FLT3阻害薬キザルチニブ+化学療法による寛解導入・地固め療法およびその後の維持療法としての最長3年間のキザルチニブ単剤投与の効果を二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相ランダム化比較試験QuANTUM-Firstで検討。その結果、 キザルチニブ投与群ではプラセボ群に比べて、全生存期間 (OS) が有意に改善された。 本研究はLancet誌において発表された。
製薬メーカーがfundを提供するだけではなく、 研究グループと共に研究デザインからモニタリングまで担当しています。 ただ、 これは前向きに捉えるべきで、 今後はこのような形できちんとContributorとして開示した上で、 研究をメーカーとともに進めていく形となるのがよいと思います。 既に医師が個人グラントを頑張って取ってきて臨床研究を行うには限界に達していると思います。
FLT3-ITD変異陽性のAML患者の予後は不良である。 新規診断AML患者において、 キザルチニブ+化学療法の併用は、 許容できる安全性、 かつ抗腫瘍活性を示した。
新規に診断された18~75歳のFLT3-ITD変異陽性のAML患者。
寛解導入療法および地固め療法(化学療法単独 vs. 化学療法+キザルチニブ)後に、 最長3年間のキザルチニブまたはプラセボの単剤継続投与。
OS
両群とも発熱性好中球減少症、 低カリウム血症、 肺炎が最も多く、 キザルチニブ群では好中球減少症が多かった。
18~75 歳の成人FLT3-ITD陽性の新規診断AMLにおいて、 allo-HCTを併用または併用しない標準化学療法による寛解導入療法および地固め療法にキザルチニブを追加し、 その後最長 3 年間キザルチニブ単剤投与を継続することにより、 OSが改善された。 QuANTUM-First試験の結果に基づき、 キザルチニブは、 FLT3-ITD陽性の新規診断AMLの成人患者に対して、 有効で一般的に忍容性の高い新しい治療選択肢となりうることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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