海外ジャーナルクラブ
2年前
Weiらは、 大腸内視鏡検査を受ける患者を対象に、 コンピュータ支援検出 (CADe) デバイスEndoVigilantの使用効果をランダム化比較試験I-SEEで検討 。 その結果、 CADe使用による腺腫検出率に有意差はなかった。 本研究はAm J Gastroenterol誌において発表された。
コンピュータ支援検出デバイスはヒトと違い、 常に一定の判断ができます。 本研究の場合であれば、 内視鏡医の経験、 忙しさ、 疲れ具合、 などの条件が異なる集団であればあるほど、 一定の判断からのずれが大きくなるためコンピュータ支援検出デバイスとヒトとの差が出てくると思われます。
消化器病学において人工知能への関心が高まっており、 大腸内視鏡検査時の見逃し率を低減するためにCADe装置の研究が盛んになっている。
2020年9月28日〜21年9月24日に米国内の内視鏡センター4施設で大腸内視鏡検査を受けた患者。
患者は以下の群にランダムに割り付けられた。
大腸内視鏡検査あたりの非腺腫性非鋸歯状ポリープ、 腺腫および鋸歯状ポリープ検出率、 手技時間。
大腸内視鏡検査1件あたりの腺腫の検出数に両群間で有意差はなかった。
大腸内視鏡検査1件あたりの鋸歯状ポリープの検出数に両群間で差はなかった。
CADeは非腺腫性非鋸歯状ポリープの検出率を高め、 結果として、 腺腫の摘出率はCADe群で少なかった。
腺腫検出率および鋸歯状ポリープ検出率はCADe群と非CADe群で同等であった.
平均離脱時間はCADe群で非CADe群と比較して長かった。 しかし、 ポリープが確認されなかった場合、 平均離脱時間は同程度であった。
有害事象は確認されなかった。
CADeの使用は、 検出された腺腫数に統計的に有意な差をもたらすことはなかった。 CADeから大きな利益を得る内視鏡医とそうでない内視鏡医がいる理由をよりよく理解するための追加研究が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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