【NCCNガイドライン最新解説】末梢性T細胞リンパ腫
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HOKUTO編集部

11ヶ月前

【NCCNガイドライン最新解説】末梢性T細胞リンパ腫

【NCCNガイドライン最新解説】末梢性T細胞リンパ腫
本コンテンツはNational Comprehensive Cancer Network (NCCN) のガイドラインについて、 専門医の視点からわかりやすい解説を行う企画です。 最新の情報が紹介されておりますので、 是非とも臨床の参考としていただければ幸いです。
本稿の記事はNCCNガイドライン Version 1.2023を基に作成しています(閲覧日:2023年7月14日)

解説医師

【NCCNガイドライン最新解説】末梢性T細胞リンパ腫

1次治療の場合

未分化大細胞リンパ腫 (ALCL)

よく用いられるレジメンとしてはBV (ブレンツキシマブベドチン) +CHP (シクロホスファミド、 ドキソルビシン、 プレドニゾン)が推奨され、 同レジメンは本邦でも適用可能である。

その他の組織型

よく用いられるレジメンとしては、 BV+CHP、 CHOEP (シクロホスファミド、 ドキソルビシン、 ビンクリスチン、 エトポシド、 プレドニゾン)、 CHOP (シクロホスファミド、 ドキソルビシン、 ビンクリスチン、 プレドニゾン)、 Dose-adjusted EPOCH (エトポシド、 プレドニゾン、 ビンクリスチン、 シクロホスファミド、 ドキソルビシン) が並列で記載されている。

さまざまな病型が含まれるということで、 各々のレジメンの優越を各病型で示すのは難しい。 CHOEPは若年において昔から幅広く用いられているレジメンではある。 自家移植も適格例においては一般的に検討される。

近い将来、 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫 (angioimmunoblastic T-cell lymphoma:AITL)を中心に、 病型特異的な有用なレジメンが開発されることが予想され、 プレシジョン・メディシンが本疾患群にも適用されてくることを期待したい。

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緩和的治療

最初からまったく化学療法が困難という症例は多くないように感じるが、 その際に使用する薬剤の候補が列挙されている。 本邦では多くの薬剤が保険適用外となる。

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2次治療

よく用いられるレジメンだけでも多くの薬剤が列挙されており、 どれを選択するのが本当に良いのかは定まっていないところである。 各施設で慣れた治療を選択することが多いと予想される。 当院ではゲムシタビンベースのレジメンをまず使用してみることも多いが、 単剤の薬剤も選択肢とはなる。

一般的には長期的な奏効を得ることは困難で同種移植が検討される。 ただ、 単剤治療では一部に長期的な奏効が得られる例がいることはわかっており、 今後そういった例を抽出できる系を確立することが理想的である。

個人的にはルキソリチニブがカテゴリー2Bとして推奨されている点について関心を持っており、 本邦では保険未適用であるが、 T細胞に重要なpathwayを標的とすることがT細胞性の腫瘍にも有効である可能性は十分にあると考えられる。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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