HOKUTO編集部
1ヶ月前

世界肺癌学会 (WCLC) 2026 (9月12~15日、 韓国・ソウル) で発表された注目演題について、 HOKUTO編集部が配信した12本のレポートを疾患別にまとめました。 下記の目次から参照ください。
完全切除されたEGFR遺伝子変異陽性IB~IIIA期非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 術後オシメルチニブとプラセボを比較した第Ⅲ相試験ADAURAの8年OSランドマーク解析結果が報告された。 オシメルチニブによるOSベネフィットは、 最長3年間の投与終了後も持続していた。米・Dartmouth Cancer CenterのRoy S. Herbst氏が発表した。
未治療のEGFR exon20挿入変異陽性で未治療の進行NSCLC患者を対象に、 EGFR-MET二重特異性抗体アミバンタマブ+化学療法と化学療法単独を比較した非盲検第Ⅲ相試験PAPILLONにおけるOSの最終解析の結果が報告された。 最終解析では、 OS中央値はアミバンタマブ+化学療法群で34.3ヵ月、 化学療法単独群で27.9ヵ月であり、 両群間で有意差は認められなかった。 一方、 クロスオーバーの影響を調整した解析では、 アミバンタマブ+化学療法群でOSの有意な延長が認められた。 米・Georgetown Cancer InstituteのChul Kim氏が発表した。
EGFR exon 20挿入変異 (ex20ins) 陽性の未治療転移性NSCLCを対象に、 ex20ins選択的チロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) zipalertinibと化学療法の併用を化学療法単独を対照に検証した第Ⅲ相試験REZILIENT 3の事前に規定された中間解析の結果から、 PFSの有意な延長が示された。 シンガポール・Duke-NUS Medical SchoolのDaniel S.W. Tan氏が発表した。
PD-L1 TPS≧50%の転移性非小細胞肺癌 (NSCLC) の1次治療において、 ペムブロリズマブへのTrop-2標的抗体薬物複合体サシツズマブ ゴビテカン (SG) の上乗せ効果を検証した第Ⅲ相試験EVOKE-03/KEYNOTE-D46の主解析結果から、 SG併用群ではPFSが数値上延長したものの統計学的有意差には至らず、 OS中間解析でも有意な改善は認められなかった。 ギリシャ・Henry Dunant Hospital CenterのGiannis Mountzios氏が発表した。
中国で実施された第Ⅲ相HARMONi-2試験の2回目の中間解析において、 PD-L1 TPS 1%以上でEGFR変異・ALK転座を有さない未治療の局所進行・転移NSCLCに対する1次治療として、 抗PD-1/VEGF二重特異性抗体ivonescimabは、 抗PD-1抗体ペムブロリズマブと比較してOSを有意に延長した。 中国・Shanghai Pulmonary HospitalのCaicun Zhou氏が発表した。
ROS1-TKI未治療の進行・転移ROS1陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 選択的ROS1-TKIであるzidesamtinibの有効性および安全性を評価した第Ⅰ/Ⅱ相試験ARROS-1の結果から、 盲検下独立中央判定 (BICR) による奏効率 (ORR) は94%、 頭蓋内奏効率 (IC-ORR) は100%だった。 米・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのAlexander E. Drilon氏が発表した。
HER2変異を有する未治療の切除不能進行NSCLCを対象に、 トラスツズマブ デルクステカン (T-DXd) 単剤療法と、 標準治療であるペムブロリズマブ+プラチナ製剤ベース化学療法を比較した第Ⅲ相試験DESTINY-Lung04の主解析結果が報告された。 主要評価項目であるPFSはT-DXd群で有意に延長した一方、 OSの延長は認められなかった。米・Dana-Farber Cancer InstituteのJulia Rotow氏が発表した。
切除可能なⅡ~ⅢB期NSCLCを対象に、 周術期のアテゾリズマブ+プラチナ製剤併用化学療法と、 プラセボ+同化学療法を比較した第Ⅲ相試験IMpower030の最終解析結果が報告された。 主要評価項目である独立評価施設 (IRF) 判定による無イベント生存期間 (EFS) 中央値は、 それぞれ62.8ヵ月、 34.9ヵ月であり、 両群間で有意差は認められなかった。オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CenterのBenjamin Solomon氏が発表した。
1次治療後に脳転移を認めない小細胞肺癌 (SCLC) において、 予防的全脳照射 (PCI) を省略したMRIサーベイランス単独の有用性を検討した第Ⅲ相無作為化比較試験SWOG S1827/MAVERICKの結果から、 MRI単独群では、 PCI併用群と比べて認知機能低下なし生存期間 (CFFS) が有意に改善することが示された。 米・University of ColoradoのChad G. Rusthoven氏が発表した。
プラチナ製剤ベース化学療法±免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) による1次治療後に再発したSCLC患者を対象に、 B7-H3標的抗体薬物複合体 (ADC) tambotatug pelitecan (Tam-Peli) の有効性と安全性について、 ノギテカン (topotecan) を対照として比較した非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験TAISHAN-302の中間解析が行われた。 その結果、 ノギテカン群と比べてTam-Peli群では主要評価項目のOSが有意に延長し、 死亡リスクが54%低下したことが明らかになった。 中国・Sun Yat-sen University Cancer CenterのLi Zhang氏が発表した。 同試験の詳細は、 N Engl J Med 誌2026年9月12日オンライン版¹⁾に掲載された。
プラチナ製剤ベース化学療法±免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) による1次治療後に再発したSCLC患者を対象に、 B7-H3標的抗体薬物複合体 (ADC) risvutatug rezetecan (Ris-Rez) の安全性・有効性について、 ノギテカン (topotecan) を対照に比較した非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験ARTEMIS-008の事前に規定された中間解析の結果が報告された。 その結果、 主要評価項目のOSの有意な延長が示された。 中国・National Cancer CenterのJie Wang氏が発表した。
1次治療後に増悪・再発した小細胞肺癌 (SCLC) を対象に、 抗DLL3/CD3二重特異性T細胞誘導抗体タルラタマブの投与間隔を延長した2つのレジメンを標準用法と比較した第II相無作為化比較試験DeLLphi-309の主要解析結果が報告された。 主要評価項目の奏効率は、 間隔延長群で数値上低かった。 米・University of California Los AngelesのJonathan Goldman氏が発表した。
WCLC 2026における注目演題は、 名古屋市立大学病院呼吸器・アレルギー内科教授の赤松弘朗先生にご解説いただく予定です。

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。