海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前

Badranらは、 イスラエルにおいて、 ホルモン受容体陽性・HER2陰性 (HR+/HER2-) 転移性乳癌患者を対象に、 CDK4/6阻害薬パルボシクリブまたはribociclibによる治療の毒性および生存予後予測におけるベースライン時の好中球/リンパ球比 (NLR) の有用性を後ろ向きコホート研究で評価した。 その結果、 ベースライン時のNLRの上昇は、 重度好中球減少症リスクおよび無増悪生存期間 (PFS) の短縮と関連しており、 この治療環境においてNLRが有用な予測バイオマーカーとなり得ることが示唆された。 本研究はBreast誌において発表された。
NLR高値は、 悪性腫瘍のみならず脳卒中、 急性冠症候群、 敗血症、 COVID-19などにおいて転帰不良との関連が報告されています。
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NLRは全身性炎症のマーカーであり、 さまざまな悪性腫瘍の予後と関連していることが報告されている。
そこで、 CDK4/6阻害薬による治療の毒性および生存予後予測におけるベースライン時のNLRの有用性を後ろ向きコホート研究で評価した。
2017~24年にイスラエル最大の健康維持機構のデータを用い、 パルボシクリブまたはribociclibで治療されたHR+/HER2-転移性乳癌患者2,218例を対象として、 治療開始後3ヵ月以内にGrade4の好中球減少症 (好中球絶対数<0.5×10⁹/L) を発現した患者と、 それよりも高い好中球数を有した患者の間で、 ベースライン時のNLR値を比較した。 異なる好中球減少症の閾値を用いた追加比較も実施した。
さらに、 ベースライン時のNLR (カットオフ値 2.5) とPFSおよび治療関連有害事象 (TRAE) との関連も評価した。
Grade4の好中球減少症を発現した患者は、 より高い好中球数を示した患者と比べて、 ベースライン時のNLR値が有意に高かった (平均値 4.73±5.88 vs 2.80±2.32、 p<0.001)。
また、 NLRが2.5以上の患者では、 2.5未満の患者に比べてPFS中央値が短かった。
肝毒性はNLRが2.5未満の患者においてより多く観察されたが、 皮膚関連有害事象の発現率は両群で同程度であった。
著者らは 「CDK4/6阻害薬で治療された患者において、 ベースライン時のNLR値の上昇は、 重度の好中球減少症リスクおよびPFSの短縮と関連していた。 これらの知見は、 全身性炎症と治療成績の潜在的な関連性を浮き彫りにし、 この治療環境においてNLRが有用な予測バイオマーカーとなり得ることを示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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