海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前

Kishanらは、 局所前立腺癌患者を対象に、 中等度寡分割照射 (MHF) のうち等線量MHF、 線量増加型MHFそれぞれの有効性および毒性プロファイルを、 患者個別データに基づくメタ解析で通常分割照射 (CF) と比較した。 その結果、 等線量MHFはCFと同等の有効性を示し、 毒性リスクの増加は認められないことが明らかとなった。 研究結果はLancet Oncol誌に発表された。
すべての研究で無増悪生存期間や有害事象 (毒性) を同じ方法で定義していたわけではないため、 メタアナリシスの主要評価項目を作成する際にデータの調整が必要であった点をlimitationで挙げています。
前立腺癌に対する中等度寡分割照射 (MHF) および通常分割照射 (CF) の有用性を比較評価した臨床試験は、 デザイン (非劣性 vs 優越性) やMHFの線量に大きなばらつきがある。
この研究では、 等線量MHFおよび線量増加型MHFの有効性および毒性プロファイルを比較した。
MEDLINEなどのデータベースで文献を系統的に検索し、 MHFとCFの第Ⅲ相無作為化比較試験7件 (MHFは等線量3件3,454例、 線量増加型4件2,426例) を抽出した。試験に参加した局所前立腺癌患者の個別データを用いてメタ解析を実施し、 MHFとCF間の有効性、 晩期毒性および患者報告アウトカムを評価した。
主要評価項目は、 以下の3項目であった。
追跡期間中央値は、 等線量MHFでは5.4年 (四分位範囲 [IQR] 4.6-7.2年)、 線量増加型MHFでは7.1年 (IQR 5.7-8.4年) であった。
主要評価項目のPFSは、 いずれのMHFでもCFと有意差が認められなかった (等線量 : HR 0.92 [95%CI 0.81-1.05]、 p=0.21、 線量増加型 : HR 0.94 [95%CI 0.82-1.09]、 p=0.43)。
Grade 2以上の泌尿生殖器毒性については、 いずれのMHFでもCFと比べてリスクの増加が認められなかった (等線量 : オッズ比 [OR] 1.16 [95%CI 0.86-1.57]、 p=0.32、 線量増加型 : OR 1.20 [95%CI 0.95-1.51]、 p=0.13)。
Grade 2以上の消化管毒性については、 線量増加型MHFではCFと比べて有意なリスクの増加が認められたが (OR 1.48 [95%CI 1.14-1.92]、 p=0.0035)、 等線量MHFでは有意差が認められなかった (同 1.30 [95%CI 0.59-2.87]、 p=0.51)。
尿および腸関連のQOL低下いずれでも、 等線量MHFではCFと有意差が認められなかった (それぞれOR 1.03 [95%CI 0.51-2.09]、 p=0.93、 OR 0.76 [95%CI 0.40-1.43]、 p=0.39)。
一方で、 線量増加型MHFには腸関連のQOL低下との関連が認められたが (OR 1.68 [95%CI 1.07-2.61]、 p=0.023)、 尿関連のQOL低下との関連は示されなかった (OR 1.57 [95%CI 0.87-2.85]、 p=0.13)。
著者らは 「等線量MHFおよび線量増加型MHFいずれでも、CFと同等の有効性が示されたが、 線量増加型MHFでは、 医師評価および患者報告による消化管毒性の発現率が高かった。 等線量MHF (60Gy/20回など) を局所前立腺癌に対する標準的な放射線療法とすべきである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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