【NCCNガイドライン最新解説】骨髄異形成症候群
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HOKUTO編集部

4ヶ月前

【NCCNガイドライン最新解説】骨髄異形成症候群

【NCCNガイドライン最新解説】骨髄異形成症候群
本コンテンツはNational Comprehensive Cancer Network (NCCN) のガイドラインについて、 専門医の視点からわかりやすい解説を行う企画です。 最新の情報が紹介されておりますので、 是非とも臨床の参考としていただければ幸いです。
本稿はNCCNガイドライン Version 1.2023を基に作成しています (閲覧日 : 2023年12月22日)

解説医師

【NCCNガイドライン最新解説】骨髄異形成症候群

MDSの評価

初期評価

血球減少がある症例において最初に検査すべき項目が列挙されており参考になる。 特に血液内科に紹介される前に検討しておいてもらえればとも思う項目としては、 甲状腺刺激ホルモン (TSH)、 葉酸、 ビタミンB₁₂、 銅が挙げられる。 特に銅については亜鉛の補充を行っている例では評価が重要である。 遺伝子検査に関してもこちらで取り上げられているが、 現時点では本邦では保険診療では検査はできず、 大学病院等に相談することとなる。

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NCCN Guideline Version 1.2023を基に作図
※MDS-2、 MDS-B.5 of 5についてはNCCN Guidelineにて詳細をご確認ください。

追加評価

その他、 発作性夜間ヘモグロビン尿症 (PNH) ならびに再生不良性貧血等の評価にも有用なPNH血球の検査も検討すべきである。 PNH血球の有無は免疫抑制療法の検討にも参考となる。

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MDSの治療

低リスク症例の管理

低リスクの場合には、 del(5q)を有する場合にはレナリドミド、 それ以外ではエリスロポエチン (EPO) 製剤が候補となる。 EPOが高い場合には本邦では使用できないがluspaterceptも選択肢として挙げられている。

血球減少が臨床上問題となり、 アザシチジンなどの投与を要するような場合には実質的には高リスクと考えられ、 IPSS-Rにて中間リスク (intermediate) であれば、 同種造血幹細胞移植 (allo-HCT) の適格性の検討に値する。

▼低リスク症例 (IPSS-R : 超低・低~中リスク)

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低リスクで症候性貧血を有する症例

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※MDS-5、 7、 8についてはNCCN Guidelineにて詳細をご確認ください。

低リスクでdel(5q)を有する症例 (IPSS-R : 超低・低~中リスク)

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高リスク症例の管理

高リスク症例ではいずれにしてもallo-HCT以外には長期的なコントロールは困難である。 allo-HCT前に治療を行った方がよいのかどうかについては、 実際の所は定まった所はないが、 一般的には臨床的にアザシチジン (ビダーザ®等) のリスクが低ければ移植までのつなぎとして導入することが多い。

▼高リスク症例 (IPSS-R : 中・高・超高リスク疾患)

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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