国立病院機構広島西医療センター (広島県大竹市) の初期研修は ｢ゆったりとした時間の中で研修に専念できる環境｣ が特徴だといいます｡ 副院長で研修責任者の鳥居剛先生と､ 初期研修医 (1年次) の中嶋 敏司先生に､ 研修の特徴などを聞きました｡ 

研修の特徴

患者さん一人ひとりにしっかり向き合える

――研修の特徴は？

鳥居先生

｢ジェネラリストに必要な基本的な診療能力を身につけるべく､ よくある疾患を幅広く経験できます｡ 2年目以降は必修以外のローテーションを自分たちで選択でき､ 研修の自由度が高いことも特徴です｣

｢研修医が多くない (定員6人) ため症例の取り合いもなく､ 手厚い指導体制と家庭的な雰囲気のなかで学ぶことができます｡ 加えて､ 救急外来が比較的落ち着いており､ 一人ひとりの患者さんにしっかりと向き合って研修に専念できます｣

JMECC(内科救急･ICLS～RRS対応コース)で救急初期対応のトレーニング中

多彩な勉強会､離島で地域医療も学べる

――貴センターで研修するメリットは

鳥居先生

｢科の垣根なく知識や技術の共有を頻繁に行っています｡ 特に年間15回程度開催している超音波の講習会では､ 臨床検査技師さんが一般的な胸部腹部のみならず､ 心臓の拡張能､ 腸管､ 末梢神経や筋肉などのマニアックな領域までハンズオンで指導してくれます｣

｢近隣の3次救急病院にない血液内科､ 脳神経内科疾患の研修にはうってつけです｡ また｡ 1人1症例で開催されるCPCや研修医自らがテーマを持ち寄って意見交換を行う院長カンファ (といいつつ院長は参加しておりません笑) など､ 自主的な勉強会を積極的に開いています｣

大竹市沖合の阿多田島｡ フェリーで片道35分､ 島唯一の診療所に先生1人が診療している

｢大竹市の沖合にある離島でも研修を実施しており､ 地域医療を学べるのもポイントです｡ 離島に一つだけある診療所では普段､ 先生一人で島民の健康を診ています｡ 緊急時の対応はもちろん､ 先生の考え方を聞くなど地域医療の理解を深めることができます｣

研修医の視点

手厚い指導とフラットな上下関係

――研修先を広島西医療センターにした理由は？

中嶋先生

｢関西出身ですが将来的に脳神経内科を希望しており､ 脳神経内科を得意とする当院を選びました｡ 見学時の雰囲気も良く､ 優しい先輩が多かったことを覚えています｣

救急外来で研修中の中嶋先生

鳥居先生

｢研修医の半分くらいは広島に縁もゆかりもありません｡ カープファンでなくても大丈夫 (笑) ｣

手厚い指導とアットホームな雰囲気

――実際の雰囲気は｡

中嶋先生

｢見学時とのギャップはほとんどなく､ 上級医や指導医からの指導が手厚く､ フラットな関係性で相談しやすいです｡ 病院全体もゆったりとしたアットホームな雰囲気で自分に合っていると感じています｣

病院マスコットキャラクターの ｢にっしーくん｣

鳥居先生

｢研修開始直後は､ 誰に相談していいのか分からないと思います｡ 研修医にメンターをつけるようにして気兼ねなく相談や質問ができる体制も整えています｣

働き方改革への対応

土日と当直後は完全オフ

――働き方改革として取り組んでいることは？

鳥居先生 ｢土日と当直明けの翌日8時30分以降は完全オフになります｡ 当直の日は朝から深夜0時15分まで夜間業務として連続勤務してもらいますが､ それ以降はオンコールです｡ 自宅に帰ったり､ 当直室に泊まったりして自由に過ごせます｣

｢働き方改革とは関係ないですが､ 電子カルテとインターネット端末が病院から支給されるので､ 自主学習しやすい環境です｡ 国立病院機構のスケールメリットをいかし､ 全国で開催される研修に参加したり､ 国立病院総合医学会で英語発表をしたりする機会もあります｣

患者さんを一人の人間として

――医学生にメッセージを

鳥居先生

｢小さな町の小さな病院だからこそ目の前の患者さん一人のことをじっくりと考えることができます｡ ゆっくりと着実にスキルアップできる環境を整えていますので､ まずは見学にお越しください｣

中嶋先生

｢広島西医療センターでは教育熱心な先生のもとで､ 一人ひとりの患者さんをじっくりと診察することができます｡ アットホームなとても働きやすい環境です｡ 是非一度見学に来てください！｣

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