【STARGLO】再発/難治性DLBCLで初!CD20×CD3標的二重特異性抗体併用でOS改善
著者

HOKUTO編集部

3ヶ月前

【STARGLO】再発/難治性DLBCLで初!CD20×CD3標的二重特異性抗体併用でOS改善

【STARGLO】再発/難治性DLBCLで初!CD20×CD3標的二重特異性抗体併用でOS改善
1ライン以上の前治療歴がありASCTが不適応のR/R DLBCLにおけるCD20×CD3標的二重特異性抗体glofitamab (Glofit) +ゲムシタビン+オキサリプラチン(GemOx)併用療法の効果を、 抗CD20抗体リツキシマブ (R) +GemOx併用療法を対照に検証した第Ⅲ相多施設共同非盲検無作為化比較試験STARGLOの結果より、 Glofit-GemOx併用療法によるOSの有意な改善が示された。 米・Massachusetts General Hospital Cancer CenterのJeremy S. Abramson氏が発表した。  

Glofit-GemOxの早期ラインでの有効性を調査

Glofitamabは、 R/R LBCL*¹に対する固定期間治療薬である。 第Ⅰ/Ⅱ相STARGLO試験では、 2ライン以上の前治療歴を有するR/R DLBCL*²に固定期間単剤療法としてglofitamabを投与した場合、 忍容性が高く、 持続的な奏効が示すことが報告された¹⁾。

今回は1ライン以上の前治療歴を有するR/R DLBCL患者におけるGlofit-GemOx群の安全性と有効性について、 R-GemOx群と比較した第Ⅲ相試験の結果が報告された。

*1 : 再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫
*2 : 再発または難治性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫

主要評価項目はOS

対象

少なくとも1ラインの前治療を受け自家造血幹細胞移植 (ASCT) が適応とならない、 または2ライン以上の前治療歴を有するR/R DLBCL患者

ECOG PS 0-2

方法

274例が以下の2群に2 : 1の割合で無作為に割り付けられた。

  • Glofit-GemOx群 : 183例
Glofitamab (1サイクル目は週1回段階的に増量しながら投与し、 2サイクル目以降は1日目に30mgを投与) +ゲムシタビン1,000mg/m²+オキサリプラチン100mg/m² (1サイクル目は2日目に、 2サイクル目以降は1日目に投与) 併用療法を21日毎に8サイクル投与→glofitamab 30mgを21日毎に4サイクル投与
  • R-GemOx群 : 91例
リツキシマブ375mg/m²+ゲムシタビン+オキサリプラチン併用療法を21日毎に8サイクル投与

評価項目

主要評価項目

全生存期間 (OS)

副次的評価項目

IRCの評価に基づく無増悪生存期間 (PFS) 、 完全奏効 (CR) 率、 奏効期間、 安全性

24ヵ月OS率は52.8%で有意な改善

患者背景

両群で概ね同様だった。

(Glofit-GemOx群、 R-GemOx群)
  • 年齢中央値 : 68.0歳、 68.0歳
  • 男性 : 58.2%、 57.4%
  • アジア人 : 56.0%、 47.0%
  • 前治療歴が1ラインのみ : 62.6%、 62.8%
  • CAR-T細胞の投与歴あり : 8.8%、 7.1%

主要評価項目

OS

【追跡期間中央値】

  • 主要解析 : 11.3ヵ月
OSイベント発生割合が70% (101例) 時の事前に規定された中間解析
  • アップデート解析 : 20.7ヵ月
追加調査として、 全例が治療終了時に実施

【主要解析のOS中央値 (95%CI)】

  • Glofit-GemOx群 : NE 
(13.8ヵ月-NE)
  • R-GemOx群 : 9ヵ月 
(7.3-14.4ヵ月)
HR 0.59 (0.40-0.89) 、 p=0.011

【アップデート解析のOS中央値 (95%CI)】

  • Glofit-GemOx群 : 25.5ヵ月 
(18.3ヵ月-NE)
  • R-GemOx群 : 12.9ヵ月 
(7.9-18.5ヵ月)
HR 0.62 (0.43-0.88) 、 p=0.006

【24ヵ月OS率 (95%CI)】

  • Glofit-GemOx群 : 52.8% 
(44.8-60.7%)
  • R-GemOx群 : 33.5% 
(22.2-44.9%)

【サブグループ解析】

事前に規定されたサブグループにおいて、 Glofit-GemOx群のR-GemOx群に対する優位性が概ね一貫して認められた。

前治療歴 (95%CI)

  • 1ライン : HR 0.68 
(0.42-1.09)
  • 2ライン以上 : HR 0.55 
(0.33-0.93)

難治性/再発性 (95%CI)

  • 難治性 : HR 0.65 
(0.43-0.99)
  • 再発性 : HR 0.51 
(0.26-0.98)

副次評価項目

PFS

【追跡期間中央値】

主要解析 : 9.6ヵ月

アップデート解析 : 16.1ヵ月

【主要解析の中央値 (95%CI) 】

  • Glofit-GemOx群 : 12.1ヵ月 
(6.8-18.3ヵ月)
  • R-GemOx群 : 3.3ヵ月 
(2.5-5.6ヵ月)
HR 0.37 (0.25-0.55) 、 p<0.000001

【アップデート解析の中央値 (95%CI) 】

  • Glofit-GemOx群 : 13.8ヵ月 
(8.7-20.5ヵ月)
  • R-GemOx群 : 3.6ヵ月 
(2.5-7.1ヵ月)
HR 0.40 (0.28-0.57) 、 p<0.000001

【12ヵ月PFS率 (95%CI) 】

  • Glofit-GemOx群 : 51.7% 
(44.0-59.4%)
  • R-GemOx群 : 25.2% 
(13.6-36.9%)

客観的奏効率 (ORR)

  • Glofit-GemOx群 : 68.3%
  • R-GemOx群 : 40.7%

CR率

  • Glofit-GemOx群 : 58.5%
  • R-GemOx群 : 25.3%
p<0.0001

安全性評価

治療サイクル数の中央値

  • Glofit-GemOx群 : 11サイクル 
(範囲 1-13サイクル)
  • R-GemOx群 : 4サイクル 
(範囲 1-8サイクル)

有害事象 (AE) 発現率

【全GradeのAE】

  • Glofit-GemOx群 : 100%
  • R-GemOx群 : 95.5%

【重篤なAE】

  • Glofit-GemOx群 : 54.4%
  • R-GemOx群 : 17.0%

【Grade3-5のAE】

  • Glofit-GemOx群 : 77.8%
  • R-GemOx群 : 40.9%

【サイトカイン放出症候群 (Glofit-GemOx群) 】

サイトカイン放出症候群は主に1サイクル目に発現し、 主に低Gradeであった。 Grade3は2.3%に認められた。

GlofitamabでDLBCLの予後改善

Abramson氏は 「自家造血幹細胞移植に不適格であるR/R DLBCL患者において、 glofitamab+GemOx併用療法はリツキシマブ+GemOx併用療法と比較し、 統計学的有意かつ臨床的に意義のあるOSの改善を示した。 安全性プロファイルは各薬剤の既知のものと一致しており、 忍容性は良好であった。 glofitamabは第III相無作為化比較試験においてDLBCLの生存ベネフィットを証明した、 最初のCD20×CD3標的二重特異性抗体である」 と報告した。

出典

1) N Engl J Med. 2022; 387: 2220-2231.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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