HOKUTO編集部
5ヶ月前
1ライン以上の前治療歴がありASCTが不適応のR/R DLBCLにおけるCD20×CD3標的二重特異性抗体glofitamab (Glofit) +ゲムシタビン+オキサリプラチン(GemOx)併用療法の効果を、 抗CD20抗体リツキシマブ (R) +GemOx併用療法を対照に検証した第Ⅲ相多施設共同非盲検無作為化比較試験STARGLOの結果より、 Glofit-GemOx併用療法によるOSの有意な改善が示された。 米・Massachusetts General Hospital Cancer CenterのJeremy S. Abramson氏が発表した。
Glofitamabは、 R/R LBCL*¹に対する固定期間治療薬である。 第Ⅰ/Ⅱ相STARGLO試験では、 2ライン以上の前治療歴を有するR/R DLBCL*²に固定期間単剤療法としてglofitamabを投与した場合、 忍容性が高く、 持続的な奏効が示すことが報告された¹⁾。
今回は1ライン以上の前治療歴を有するR/R DLBCL患者におけるGlofit-GemOx群の安全性と有効性について、 R-GemOx群と比較した第Ⅲ相試験の結果が報告された。
少なくとも1ラインの前治療を受け自家造血幹細胞移植 (ASCT) が適応とならない、 または2ライン以上の前治療歴を有するR/R DLBCL患者
274例が以下の2群に2 : 1の割合で無作為に割り付けられた。
主要評価項目
全生存期間 (OS)
副次的評価項目
IRCの評価に基づく無増悪生存期間 (PFS) 、 完全奏効 (CR) 率、 奏効期間、 安全性
両群で概ね同様だった。
OS
【追跡期間中央値】
【主要解析のOS中央値 (95%CI)】
HR 0.59 (0.40-0.89) 、 p=0.011
【アップデート解析のOS中央値 (95%CI)】
HR 0.62 (0.43-0.88) 、 p=0.006
【24ヵ月OS率 (95%CI)】
【サブグループ解析】
事前に規定されたサブグループにおいて、 Glofit-GemOx群のR-GemOx群に対する優位性が概ね一貫して認められた。
前治療歴 (95%CI)
難治性/再発性 (95%CI)
PFS
【追跡期間中央値】
主要解析 : 9.6ヵ月
アップデート解析 : 16.1ヵ月
【主要解析の中央値 (95%CI) 】
HR 0.37 (0.25-0.55) 、 p<0.000001
【アップデート解析の中央値 (95%CI) 】
HR 0.40 (0.28-0.57) 、 p<0.000001
【12ヵ月PFS率 (95%CI) 】
客観的奏効率 (ORR)
CR率
p<0.0001
治療サイクル数の中央値
有害事象 (AE) 発現率
【全GradeのAE】
【重篤なAE】
【Grade3-5のAE】
【サイトカイン放出症候群 (Glofit-GemOx群) 】
サイトカイン放出症候群は主に1サイクル目に発現し、 主に低Gradeであった。 Grade3は2.3%に認められた。
Abramson氏は 「自家造血幹細胞移植に不適格であるR/R DLBCL患者において、 glofitamab+GemOx併用療法はリツキシマブ+GemOx併用療法と比較し、 統計学的有意かつ臨床的に意義のあるOSの改善を示した。 安全性プロファイルは各薬剤の既知のものと一致しており、 忍容性は良好であった。 glofitamabは第III相無作為化比較試験においてDLBCLの生存ベネフィットを証明した、 最初のCD20×CD3標的二重特異性抗体である」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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