海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Guoらは、 6件の無作為化比較試験の個人データを用いて、 集中的血圧管理のリスク・ベネフィットを定量化した。 その結果、 集中的血圧管理は標準的管理に比して、 心血管イベントリスクを1.73%減少し、 有害事象リスクは1.82%増加した。 純利益は1.13であり、 ベネフィットを示した。 試験結果はLancet誌に発表された。
リスクとベネフィットのアウトカムは必ずしも一対一で評価されるものではありません。 本研究のように適切な重みづけを行った上で、 なおベネフィットが上回ることを示すことには学術的意義があります。
主要ガイドラインでは集中的血圧管理が推奨されているが、 そのリスク・ベネフィットの総合的なバランスは依然として不明である。 特に、 管理目標値や患者特性によって臨床的純利益がどのように変化するかは明らかでない。 本研究では、 集中的血圧管理と標準的血圧管理のリスク・ベネフィットのトレードオフ定量化を目的とした。
本研究では、 6件の無作為化比較試験 (ACCORD BP、 SPRINT、 ESPRIT、 BPROAD、 STEP、 CRHCP) の患者個人データを用いた。 試験選定は、 共同研究枠組みBlood Pressure Reduction Union-Landmark Evidenceと、 事前に定義した以下の選定基準に基づく検索によって行った。
選定基準
PubMedを用いて2025年6月15日までに発表された研究について系統的レビューも実施した。 検索には、 心血管アウトカム、 高血圧、 集中的血圧低下、 無作為化試験に関連する用語を用いた。
6試験において、 患者は集中的血圧治療 (収縮期血圧目標<120 mmHgまたは<130 mmHg) または標準治療 (収縮期血圧目標<140 mmHg、 高齢者では<150 mmHgまたは通常ケア) に割り付けられた。 有効性主要アウトカムは、 心筋梗塞、 脳卒中、 心不全、 心血管死の複合指標であり、 安全性主要アウトカムは、 低血圧などの有害事象と腎関連事象であった。
8万220例 (集中的血圧管理群 : 4万503例、 標準的血圧管理群 : 3万9,717例) が解析対象となり、 患者背景は中央値年齢64.0歳、 男性48.7%、 アジア人82.6%であった。
中央値3.2年の追跡期間中、 心血管疾患の複合アウトカムは、 集中的血圧管理群で2,158例 (5.3%)、 標準的血圧管理群で2,811例 (7.1%) に発生した (HR 0.76、 95%CrI 0.72–0.81、 p<0.0001)。
集中的血圧管理の、 標準的血圧管理と比較した絶対リスクは以下の通りであった。
集中的血圧管理は、 事前に選定された重み付けを用いた場合、 1.14 (95%CrI 1.03-1.25) の純利益を示し、 腎関連有害事象を考慮した場合でも1.13 (95%CrI 1.01-1.24) であった。
著者らは、 「標準的血圧管理と比較して、 集中的血圧管理は、 心血管イベントの減少と有害事象 (腎関連事象を含む) の増加との間において、 純利益をもたらす」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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