海外ジャーナルクラブ
8日前

Ortega-Deballonらは、 根治目的の待機的消化器癌手術を受ける患者を対象に、 術前の高用量メチルプレドニゾロン静注の有用性を、 二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験で検討した。 その結果、 重大な術後合併症や術後感染、 創傷治癒不良、 術後在院日数に有意な改善は認められなかった。 試験結果はJAMA Surg誌に発表された。
本研究の限界として、 ステロイドによる高血糖 (特に糖尿病のない患者) や低カリウム血症から治療群が推測され、 盲検化が解除された可能性があります。
消化器外科の大手術では、 周術期の炎症反応を抑えることで、 術後合併症の減少や転帰の改善が期待される。 しかし、 この目的でコルチコステロイドを投与する臨床的有用性については、 見解が定まっていない。
対象は、 消化器外科腫瘍の基幹施設であるフランスの23施設で、 消化器癌に対して根治目的の待機的手術を受けた患者だった。 消化管吻合を伴わない肝切除単独の患者は除外された。 2019~2023年に手術を受けた患者が、 以下の2群に無作為化された。
主要評価項目は、 術後30日以内の重大な術後合併症の発生とした。 副次評価項目は術後感染、 腹腔内感染、 創部感染、 術後30日以内の創傷治癒不良、 術後の在院日数だった。
消化器大手術のために紹介された2,461例のうち、 消化器癌手術を受けた1,210例が無作為化された。 このうち術後30日時点で追跡できた1,188例 (各群594例) が解析対象となった。
重大な術後合併症の発生率は、 メチルプレドニゾロン群23%、 プラセボ群20%であり、 両群間に有意差を認めなかった (p=0.16)。
副次評価項目でも、 メチルプレドニゾロン群とプラセボ群の間に差は示されなかった。 術後感染は31% vs 30% (p=0.75)、 腹腔内感染は24% vs 21% (p=0.27)、 創傷治癒不良は15% vs 12% (p=0.13) であった。
術後の在院日数の平均もメチルプレドニゾロン群13.21日 (SD 8.59)、 プラセボ群12.97日 (SD 8.1) で、 有意な差は認められなかった (p=0.93)。
著者らは、 「待機的な消化器癌手術において、 術前のコルチコステロイドパルス投与は、 術後転帰への有益性を示さず、 日常診療で推奨されるべきではない」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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