インタビュー
10日前
横浜市立みなと赤十字病院 (神奈川県) は、 救急車の受け入れが毎年1万台以上! 圧倒的な症例数の中で、 一次救急から三次救急まで幅広い経験を積み、 2年間の救急当直を継続できることが大きな特徴です。 今回は、 研修の特徴や救急研修の実態について、 医師教育研修センター長の萩山 裕之先生、 初期研修医 (2年次) の廣瀬 健先生にお話を伺いました。
――研修の特徴を教えてください。
萩山先生
「救急外来での研修にひかれて応募される方が多くいます。 救急車の受け入れ台数は非常に多く、 断らない救急を合言葉にして、 2023年度の救急搬送台数は1万4,449台で全国第2位でした」
廣瀬先生
「単に症例数が多いだけではなく、 一次救急から三次救急まで幅広い患者さんを受け入れています。 高度救命センターのように、 初めから重症とわかっている患者さんだけではなく、 あとから重症化する症例、 社会的背景の影響が大きい症例など、 さまざまなケースを経験できます」
「また、 当院では、 初期研修の2年間にわたって救急当直を継続できることも大きな特徴です。 短期間のローテーションでは、 救急の環境やスピード感に慣れる前に研修が終わってしまうこともあると思いますが、 2年間継続することで確実にスキルアップできていると感じます」
――初期研修から専門研修へ移行される方も多いのでしょうか?
萩山先生
「当院では7つの専門研修プログラムを用意しており、 初期研修を終えた研修医の約半数がそのまま専門研修に進んでいます。 内科系・外科系を含む36 (救急含む) の診療科があるため、 専門領域を決めかねている方も、 研修を通じてじっくり進路を考えられる環境です」
「また、 当院では初期研修で救急やいろいろな診療科の現場を多く経験できるので、 専門研修の糧になるのではないかと感じています」
――研修先に横浜市立みなと赤十字病院を選んだ理由を教えてください。
廣瀬先生
「救急での研修が充実していたからです。 初期研修では救急をしっかり学ぶことが重要だと先輩方からも聞いていました」
「当院は全国的に見ても救急搬送の件数が多い病院ですが、 上級医のサポートがしっかりしています。 当直帯には必ず救急科の先生が2名以上常駐し、 集中治療部の先生もいるので、 研修医だけになることはありません。 重症の患者さんが来たときも過度な不安を抱くことなく、 指導の元でさまざまな手技を経験できます。 研修医の学びを重視しながらも、 患者さんの安全がしっかり守られていると感じます」
「救急車の台数が多い病院では、 ひたすら症例をこなすような研修になりがちですが、 当院は違います。 救急の先生方から常に『患者さんで練習しないように』と言われていて、 困っている患者さんを真摯に診るのが医師として当たり前という姿勢が根付いています」
――実際の忙しさや働きやすさはどうですか?
廣瀬先生
「忙しさはある程度覚悟していましたが、 思っていたよりもしっかり休めています。 当直明けは必ず帰れる決まりになっているほか、 休日に当直した場合も、 平日に振替休日を取る仕組みが整っているので、 オンオフの切り替えがしやすいと感じます。 勤務中は忙しいですが、 休むべきときにしっかり休めるため、 体力的にしんどいと感じたことはほとんどありません」
――研修の忙しさを5段階で評価するとしたら、 どのくらいでしょうか?
廣瀬先生
「 4くらいです。 忙しさはありますが、 やりたいことができる充実した環境です」
――どのような方に向いている環境でしょうか?
廣瀬先生
「救急が好きな人、 忙しい環境でも学びたい人に向いています。 救急車が次々と搬送されてくる環境にやりがいを感じる人にとっては、 非常に学びの多い研修になると思います」
「当院は都市部の病院であり、 指導医を含めた医師数が充足しているため、 上級医のサポートを受けながら、 確実にスキルを伸ばせる環境です。 地方の病院のように研修医が自動的に手技を任されることは少ないですが、 積極的に学ぶ姿勢があれば、 多くの手技を経験できます。 主体的に学ぼうとする人には、 特に向いている環境だと思います」
――医学生にメッセージをお願いします。
萩山先生
「当院では、 救急の現場から各診療科まで幅広い経験を積むことができます。 救急をしっかり学びたい人はもちろんですが、 まだ専門を決めていない人にとっても将来を考えられる研修環境です」
「『医師としての力をつけたい』というやる気を大切に考えています。 意欲のある方は、 当院で充実した研修生活を送れるはずです。 ぜひ、 見学に来て、 自分に合う環境かどうかを確かめてみてください」
廣瀬先生
「当院の研修では、 救急当直が大きな魅力であることは間違いありません。 しかし、 他にも多くの常勤の指導医が在籍しているので、 各診療科でも充実した指導を受けられます。 集中治療部や放射線科など、 小規模な病院ではローテートしづらい診療科も、 しっかりと経験できます」
「医学生のみなさんは、 ぜひ学生時代に幅広い経験を積んでほしいです。 勉強はもちろん大切ですが、 旅行をしたり、 本を読んだり、 映画を観たりと、 さまざまな体験を通じて視野を広げることも重要です。 さまざまな経験が、 将来、 医師として患者さんと向き合うときに必ず活きてくると思っています。 ぜひ一緒に学びましょう!」
▶横浜市立みなと赤十字病院 ホームページ
▶同病院 初期臨床研修医募集ページ ホームページ
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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