【NEJM】Type2炎症を有するCOPD、 デュピルマブで肺機能およびQOLが向上
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【NEJM】Type2炎症を有するCOPD、 デュピルマブで肺機能およびQOLが向上

【NEJM】Type2炎症を有するCOPD、 デュピルマブで肺機能およびQOLが向上
Bhattらは、 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の患者を対象に、 血中好酸球数の上昇を伴うType 2炎症に対する抗IL-4/13受容体抗体デュピルマブの効果を第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験で検討。 その結果、 Type 2炎症を有するCOPD患者においてデュピルマブを投与された患者は、 プラセボを投与された患者よりも増悪が少なく、 肺機能およびQOLが向上し、 呼吸器症状の重症度も低かった。 本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Dupilumab for COPD with Type 2 Inflammation Indicated by Eosinophil Counts. NEJM. May 21, 2023. DOI: 10.1056/NEJMoa2303951

👨‍⚕️監修医師のコメント

ちょうど研究期間がコロナの時期に重なり増悪イベントが少なかったにもかかわらず、 しっかりとした有意差を証明できています。

🔢関連コンテンツ

COPDの病期分類 (GOLD分類)

GOLD (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)

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COPD増悪時のPSL個別化用量

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背景

COPD患者の一部では、 Type 2炎症が増悪リスクを高め、 血中好酸球数の増加とともに現れる。 生物学的製剤であるデュピルマブはType 2炎症の主要なドライバーである、 IL-4とIL-13の共有受容体成分をブロックする。

研究デザイン

対象

血中好酸球数が300/μL以上で、 標準的な3剤併用療法でも増悪リスクが高いCOPD患者

介入

患者を以下の2群にランダムに割り付け

  • デュピルマブ群:468例
2週間に1回デュピルマブ (300mg) 投与
  • プラセボ群:471例
プラセボの皮下投与

主要評価項目

COPDの中等度または重度の増悪の年率

副次評価項目

FEV₁の変化、 SGRQおよびERS-COPDの点数

研究結果

中等度または重度の増悪の年率

  • デュピルマブ群:0.78 (95%CI 0.64-0.93)
  • プラセボ群:1.10 (95%CI 0.93-1.30)
率比 0.70、 95%CI 0.58-0.86、 P<0.001

気管支拡張前FEV₁

ベースラインから12週目まで、 デュピルマブ群で160mL (95%CI 126-195)、 プラセボ群で77mL (95%CI 42-112) の最小二乗平均値で増加し (LS平均差 83mL、 95%CI 42-125、 P<0.001)、 その差は52週まで維持された。

52週目の時点のSGRQスコア

  • デュピルマブ群:LS平均-9.7 (95%CI -11.3--8.1)
  • プラセボ群:-6.4 (95%CI -8.0--4.8)
LS平均差 -3.4、 95%CI -5.5--1.3、 P=0.002

52週目のE-RS-COPDスコア

  • デュピルマブ群:-2.7 (95%CI -3.2--2.2)
  • プラセボ群:-1.6 (95%CI -2.1--1.1)
LS平均差 -1.1、 95%CI -1.8--0.4、 P=0.001

安全性評価

デュピルマブまたはプラセボの投与中止に至った有害事象、 重篤な有害事象、 死亡に至った有害事象の患者数は、 両群で均衡していた。

結論

血中好酸球数の増加によって示されるType 2炎症を有するCOPD患者において、 デュピルマブを投与された患者は、 プラセボを投与された患者よりも増悪が少なく、 肺機能およびQOLが向上し、 呼吸器症状の重症度も低かった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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