海外ジャーナルクラブ
2年前
Bhattらは、 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の患者を対象に、 血中好酸球数の上昇を伴うType 2炎症に対する抗IL-4/13受容体抗体デュピルマブの効果を第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験で検討。 その結果、 Type 2炎症を有するCOPD患者においてデュピルマブを投与された患者は、 プラセボを投与された患者よりも増悪が少なく、 肺機能およびQOLが向上し、 呼吸器症状の重症度も低かった。 本研究はNEJM誌において発表された。
ちょうど研究期間がコロナの時期に重なり増悪イベントが少なかったにもかかわらず、 しっかりとした有意差を証明できています。
COPD患者の一部では、 Type 2炎症が増悪リスクを高め、 血中好酸球数の増加とともに現れる。 生物学的製剤であるデュピルマブはType 2炎症の主要なドライバーである、 IL-4とIL-13の共有受容体成分をブロックする。
血中好酸球数が300/μL以上で、 標準的な3剤併用療法でも増悪リスクが高いCOPD患者
患者を以下の2群にランダムに割り付け
COPDの中等度または重度の増悪の年率
FEV₁の変化、 SGRQおよびERS-COPDの点数
ベースラインから12週目まで、 デュピルマブ群で160mL (95%CI 126-195)、 プラセボ群で77mL (95%CI 42-112) の最小二乗平均値で増加し (LS平均差 83mL、 95%CI 42-125、 P<0.001)、 その差は52週まで維持された。
デュピルマブまたはプラセボの投与中止に至った有害事象、 重篤な有害事象、 死亡に至った有害事象の患者数は、 両群で均衡していた。
血中好酸球数の増加によって示されるType 2炎症を有するCOPD患者において、 デュピルマブを投与された患者は、 プラセボを投与された患者よりも増悪が少なく、 肺機能およびQOLが向上し、 呼吸器症状の重症度も低かった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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