海外ジャーナルクラブ
1年前
Gluzらは、 ホルモン受容体 (HR) 陽性/ERBB2陽性早期乳癌 (BC) の術前療法において、 内分泌療法 (ET) +トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法とパクリタキセル+トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法の有効性を前向き多施設共同無作為化比較試験WSG-TP-IIで検討。 その結果、 パクリタキセル+トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法の12週後の病理学的完全奏効 (pCR) が、 ET+トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法よりも優れていることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
Stage Iの患者さんが40%ほど含まれているのはネオアジュバントデエスカレーション治療の観点からは大きなlimitationと言えます。
HR陽性/ERBB2陽性BCの術前補助療法では、 化学療法とERBB2阻害薬の併用が標準と考えられている。 HR陽性/ERBB2陽性BCにおけるETとERBB2阻害薬の併用に関する有望なデータがいくつかあるにもかかわらず、 特に分子マーカーに着目した術前補助化学療法とET+ERBB2阻害薬の前向き比較はまだ行われていない。
HR陽性/ERBB2陽性の早期BC患者:207例
患者を以下の群に割り付け
pCR
安全性、 トランスレーショナルリサーチ、 健康関連QOL
免疫組織化学的ERBB2スコア3以上とERBB2濃縮サブタイプは、 両群ともpCRの独立した予測因子であった。
パクリタキセル併用群は、 メッセンジャーRNAによるERBB2スコアが最も高い四分位群ではETより優れていた。
パクリタキセル併用群に比し、 ET群では12週後の健康関連QOLの低下は観察されなかった。
WSG-TP-II無作為化臨床試験は、 HR陽性/ERBB2陽性BCにおける2つのde-escalateした術前補助療法を比較した最初の前向き試験であり、 パクリタキセル+トラスツズマブ+ペルツズマブ12週後のpCR率が、 ET+トラスツズマブ+ペルツズマブよりも明らかに優れていることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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