【NEJM】SLN転移陽性乳癌の腋窩リンパ節郭清省略、 完全郭清への非劣性を証明
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【NEJM】SLN転移陽性乳癌の腋窩リンパ節郭清省略、 完全郭清への非劣性を証明

【NEJM】SLN転移陽性乳癌の腋窩リンパ節郭清省略、 完全郭清への非劣性を証明
Bonifaceらは、 臨床的リンパ節転移陰性でセンチネルリンパ節 (SLN) への転移を認める乳癌患者を対象に、 完全腋窩リンパ節郭清の省略の非劣性について第III相非劣性無作為化比較試験SENOMACで検討した。 その結果、 センチネルリンパ節生検単独群が完全腋窩リンパ節郭清群に対して非劣性であることを示した。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

Omitting Axillary Dissection in Breast Cancer with Sentinel-Node Metastases. N Engl J Med. 2024 Apr 4;390(13):1163-1175. PMID: 38598571

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

センチネルリンパ節生検のみの群より完全腋窩リンパ節郭清群の方が明らかに試験の離脱率が高いですが、 これは腋窩リンパ節郭清を避けたいという患者の意識と希望を反映しているようです。

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【SENOMAC試験】過去の研究報告

乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

完全腋窩リンパ節郭清の省略を検討

臨床的リンパ節転移陰性乳癌でセンチネルリンパ節転移を認める乳癌において、 完全腋窩リンパ節郭清の省略を検討する過去の試験は、 信頼性が十分ではなかった。

SLN生検単独における完全腋窩リンパ節郭清への非劣性を検証

対象

臨床的リンパ節転移陰性かつ原発性 T1~T3*の乳癌で、 センチネルリンパ節に肉眼的転移**を1個または2 個有する患者 : 2,766例

*腫瘍最大径 : T1 20mm以下、 T2 21~50mm、 T3 50mm超
**転移巣の最大径 : 2 mm超

介入

患者を以下2群に 1 : 1 の割合で無作為に割り付けた。 術後療法および放射線療法は各国ガイドラインに従って実施した。

  • センチネルリンパ節生検単独群 : 1,335例
  • 完全腋窩リンパ節郭清群 : 1,205例

主要評価項目

全生存期間 (OS)

副次評価項目

無再発生存期間 (RFS)

センチネルリンパ節生検単独の非劣性は,再発または死亡のハザード比 (HR) の信頼区間の上限が 1.44 未満である場合に示されることとした。

生検単独群の5年RFSは89.7%

本研究では、 副次評価項目であるRFSについて、 per-protocol解析および修正intention-to-treat解析の結果を報告する。

追跡期間中央値

46.8ヵ月 (範囲1.5-94.5ヵ月)

5年RFS率

事前に規定した非劣性マージンを有意に下回った。

  • センチネルリンパ節生検単独群 : 89.7%
(95%CI 87.5-91.9%)
  • 完全腋窩リンパ節郭清群 : 88.7%
(同 86.3-91.1%)
再発または死亡のHR 0.89 (同 0.66-1.19、 p<0.001)

郭清省略、 完全郭清への非劣性示す

センチネルリンパ節転移を有する臨床的リンパ節転移陰性乳癌患者において、 腋窩リンパ節郭清の省略は、 より広範な完全腋窩リンパ節郭清に対して非劣性を示した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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