【AGAVE-201】axatilimabが再発・難治性慢性GVHDのORRを改善
著者

HOKUTO編集部

5ヶ月前

【AGAVE-201】axatilimabが再発・難治性慢性GVHDのORRを改善

【AGAVE-201】axatilimabが再発・難治性慢性GVHDのORRを改善
前治療歴のある再発/難治性の慢性移植片対宿主病 (GVHD) 患者を対象に、 抗CSF-1Rモノクローナル抗体axatilimabの有効性および安全性を検証した多施設共同第Ⅱ相非盲検無作為化比較試験AGAVE-201の結果、 同薬は検証されたすべての投与量で有効性が確認された。 特に、 2週間ごとに0.3mg/kgの投与で全奏効率 (ORR) が最も高かったとドイツ・University Hospital RegensburgのDaniel Wolff氏が発表した。

研究デザイン

対象

再発または難治性の慢性GVHDを有する同種移植患者で、 適格基準は以下の通り

  • 2歳以上で、 2種類以上の全身療法を受けた
  • 2014 NIH Consensus criteriaに基づく活動期の慢性GVHD
  • コルチコステロイド、 カルシニューリン阻害薬またはmTOR阻害薬の併用は可能で、 必須ではない
  • 追加の全身療法は不可

方法

241例を以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付けた。

  • 0.3mg/kg Q2W投与群 (80例)
axatilimabを2週間ごとに0.3mg/kg静脈内投与
  • 1mg/kg Q2W投与群 (81例)
axatilimabを2週間ごとに1mg/kg静脈内投与
  • 3mg/kg Q4W投与群 (80例)
axatilimabを4週間ごとに3mg/kg静脈内投与

評価項目

主要評価項目

NIH 2014年Consensus criteriaに基づく最初の6サイクル (24週) におけるORR

ORRの有効性の基準は、 95%CIの下限が30%を超えることとした

副次評価項目

  • 修正Lee Symptom Scale (mLSS) スコア (閾値7点以上) で測定される、 臨床的に有意な症状の軽減を報告する患者の割合
  • 臓器別反応率
  • 奏効持続期間 (DOR)
  • 無増悪生存期間 (FFS)
  • 全生存期間 (OS)
  • 安全性

研究結果

解析対象

121施設で合計241例が登録され、 2023年4月7日のデータカットオフ時点で239例 (99.2%) がaxatilimabによる治療を受けた。

患者背景

人口統計学的および疾患特性は、 3群間で同様だった

  • 年齢中央値 : 53歳
  • 男性の割合 : 63%
  • 慢性GVHDに対する全身療法の治療回数中央値 : 4回
  • 前治療への抵抗性 : 55%
  • ルキソリチニブ、 イブルチニブ、 ベルモスジルの併用または単独治療歴 : 85%

ORR

  • 0.3mg/kg Q2W投与群 : 74%
(95%CI 63-83%)
  • 1mg/kg Q2W投与群 : 67%
(95%CI 55-77%)
  • 3mg/kg Q4W投与群 : 50%
(95%CI 39-61%)

反応までの期間の中央値

  • 0.3mg/kg Q2W投与群 : 1.7ヵ月
(95%CI 0.9-8.1ヵ月)
  • 1mg/kg Q2W投与群 : 1.9ヵ月
(95%CI 0.9-8.6ヵ月)
  • 3mg/kg Q4W投与群 : 1.4ヵ月
(95%CI 0.9-5.6ヵ月)

12ヵ月以上奏効維持率

  • 0.3mg/kg Q2W投与群 : 60%
(95%CI 43-74%)
  • 1mg/kg Q2W投与群 : 60%
(95%CI 43-74%)
  • 3mg/kg Q4W投与群 : 53%
(95%CI 30-71%)

DORの中央値はいずれの群も未達成であった。

臓器別反応率 (0.3mg/kg Q2W投与群)

  • 下部消化管 : 89%
  • 上部消化管 : 82%
  • 食道 : 78%
  • 関節、 筋膜 : 76%
  • 口腔 : 52%
  • 肺 : 47%
  • 肝臓 : 40%
  • 眼 : 30%
  • 皮膚 : 27%

FFS中央値 (0.3mg/kg Q2W投与群)

17.3ヵ月

(95%CI 14.2ヵ月-NE)

安全性評価 (0.3mg/kg、 1mg/kg、 3mg/kg)

有害事象 (AE) による投薬中止

6.3%、 22.2%、 17.7%

Grade3以上のAEの発現率

17.7%、 34.6%、 46.8%

致死的AEの発現率

1.3%、 8.6%、 7.6%

Daniel Wolff氏らの結論

AGAVE-201試験において、 治療歴のある再発または難治性の慢性GVHD患者に対するaxatilimabは、 検証された3つの投与量すべてで主要評価項目を達成し、 強固かつ持続的な奏効を示した。 特に、 0.3mg/kg Q2W投与群でORRが最も高く、 毒性は最も少なかった。 AEは主に可逆的な検査値異常とCSF-1R抗体に関連する既知のオンターゲット効果であり、 用量依存性に増加した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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