【医療AI】納得?意外?6割が活用に不快感
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HOKUTO通信

1年前

【医療AI】納得?意外?6割が活用に不快感

【医療AI】納得?意外?6割が活用に不快感
医療提供者が疾患診断や治療法策定にAI (人工知能) を活用することについて、 6割の市民が不快に感じる――。 こんな調査結果を米国のシンクタンクが発表した。 医療AI活用の流れは不可避とも思えるが、 臨床現場への急速な導入は患者を置き去りにする懸念があるといえそうだ。

6割が 「医療提供者と患者の関係悪化」

米国のピュー・リサーチ・センターが今年2月に発表したのは 「健康や医療へのAI活用についての見解に関する調査」。 2022年12月、 全米成人から無作為に抽出した1万2448人のうち1万1104人から回答を得て (回答率88%)、 人種や性別などを考慮して解析した。

発表によると、 医療提供者が病気の診断や治療法の推奨などをAIに頼った場合、 「不快」 (uncomfortable) に感じると60%が回答する一方、 「不快でない」(comfortable) は39%だった

性別では、 女性は66%が 「不快」 に感じ、 男性の54%を上回った。 年代別にみると、 50歳以上は 「不快」 が64%と高く、 30~49歳で57%、 18~29歳で56%だった。

病気の診断や治療法の推奨などに医療AIが活用されると、 57%が 「患者と医療従事者の関係が悪化する」 と回答。 「良くなる」 はわずか13%だった。

【医療AI】納得?意外?6割が活用に不快感

「健康状態への影響」 は意見分かれる

一方、 患者の健康状態への影響については、 「改善につながる」 が38%、 「悪化する」 が33%、 「あまり変わらない」 が27%と意見が分かれた。

単独で外科手術を完了できるAIロボットの開発が進むが、 自身の手術にロボットを 「望む」 としたのは40%、 「望まない」 は59%だった。

チャットボット、 8割が 「希望しない」

メンタルヘルスをサポートするために作られたAIチャトボットは、 79%が 「利用を希望しない」 と答えた。 AIチャットボットは「セラピストにもかかっている人だけが使うべき」と46%が回答し、 「全く利用できないようにするべき」が28%だった。 「セラピストに関係なく、 利用できるようにするべき」との回答は23%にとどまり、 消極的な傾向が伺えた。

興味深いのは、 「AIについてよく聞いたことがある」 と答えた人の約半数が 「自身の健康管理にAIを使うことに抵抗がない」 と回答したのに対し、 「全く聞いたことがない」と答えた人の70%が 「AIを使うことに違和感を覚える」 と回答した点だ。

一つの調査がすべての傾向を示しているとはいえないが、 患者側にとって、 医療AIを受け入れる土壌が十分とはいえないことが推察される。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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