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HOKUTO編集部

6日前

【重症薬疹】原因薬剤まとめ (SJS / TEN / DIHS)

普段から臨床現場で利用する薬剤でも発生し得る「重症薬疹」についてまとめました。 

重症薬疹の病型

①SJS: スティーブンス・ジョンソン症候群
Stevens–Johnson syndrome

発熱と眼粘膜、口唇、外陰部などの重症の粘膜疹を伴い、紅斑と表皮の壊死性障害に基づく水疱・びらんを特徴とする。 医薬品のほかウイルスなどが原因とされる。

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②TEN: 中毒性表皮壊死症

Toxic epidermal necrolysis

SJS・TENは一連のスペクトラム疾患とされる。 本邦では体表面積10%未満をSJS、10%を超えるとTENとするが、 国際基準では10~30%をSJS/TENオーバーラップと呼ぶ。

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③DIHS/DRESS: 薬剤過敏症症候群

Drug-induced hypersensitivity syndrome/ Drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms

皮疹に加え、 臓器障害、 好酸球増多、リンパ節腫脹を伴う薬剤過敏性反応。 DIHSはヒトヘルペスウイルス-6(HHV-6)の再活性化を特徴とする。

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重症薬疹の原因薬剤

SJS/TENは抗菌薬、 解熱消炎鎮痛薬、 抗痙攣薬、 痛風治療薬、 サルファ剤、 消化性潰瘍薬、 催眠鎮静薬・抗不安薬、 精神神経用薬、 緑内障治療薬、 筋弛緩薬、 降圧薬など広範囲にわたるが、DIHSは比較的限られている¹⁻³⁾。

SJS/TEN

DIHS

発症時期•発症頻度

原因薬剤服用後、 SJS/TENは2週間以内、 DIHSは2~6週間で発症することが多い¹⁻³⁾。

副作用発現頻度は人口100万人当たりSJSは1~6人/年、 TENは0.4~1.3人/年、 DIHSは原因医薬品使用者の0.01~0.1%。 いずれも自然発症の頻度は明らかでなはい¹⁻³⁾。

対処法•治療法

SJS/TEN¹⁾²⁾

速やかに被疑薬中止し、専門医紹介

この疾患の治療に経験を積んだ臨床医チームにコンサルトすべき疾患である。

薬物療法の基本はステロイド全身投与

急性期にはプレドニゾロン換算で、 中等症は 0.5~1mg/kg/日、 重症例は1~2mg/kg/日、 最重症例はメチルプレドニゾロン500mg~1g/日(3日間)のパルス療法から開始し、 症状に応じて適宜漸減する。

🔢SCORTEN (重症度スコア)

🔢ステロイド換算表

創傷ケア

SJSは皮疹部と口唇・外陰部粘膜の局所処置、 TENは熱傷に準じた治療を要することが多い。

その他の支持療法

補液・栄養管理による全身管理、 炎症反応抑制、 病変部からの感染予防、 厳重な眼科管理など。

DIHS³⁾

速やかに被疑薬中止し、専門医紹介

この疾患の治療に経験を積んだ臨床医チームにコンサルトすべき疾患である。

薬物療法の基本はステロイド全身投与

プレドニゾロン換算で0.5~1mg/kg/日から開始し、 適宜漸減する。 急激な減量はHHV-6の再活性化とそれによる症状の再燃を増強するおそれがあると考えられており、 比較的ゆっくり減量することが望ましい。

🔢ステロイド換算表

臓器障害のモニタリング

臓器障害を伴わないDIHSに対するステロイドのエビデンスは限られている。 多くは局所ステロイドによる対症療法で良いとされる。

その他の支持療法

症状緩和やスキンケア、 各臓器補助的治療など。

関連コンテンツ

🔢薬疹の診断基準 (SJS/TEN/DIHS)

重症薬疹の診断基準

🔢SCORTEN

SJS/TENの重症度予測

🔢ステロイドの効力比と等価用量

PSL換算で計算可能

📘重症多形滲出性紅斑 スティーヴンスジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症診療ガイドライン

日本皮膚科学会ガイドライン

参考文献

  1. 厚生労働省. 「重篤副作用疾患別対応マニュアル (医療関係者向け) スティーヴンス•ジョンソン症候群 (皮膚粘膜眼症候群) 平成18年11月 (平成29年6月改定) 」https://www.pmda.go.jp/files/000218908.pdf (参照2022-10-31)
  2. 厚生労働省. 「重篤副作用疾患別対応マニュアル (医療関係者向け) 中毒性表皮壊死融解症 (中毒性表皮壊死症) (ライエル症候群、 ライエル症候群型薬疹) 平成18年11月 (平成29年6月改定) 」 https://www.pmda.go.jp/files/000218909.pdf(参照2022-10-31)
  3. 厚生労働省. 「重篤副作用疾患別対応マニュアル (医療関係者向け) 薬剤性過敏症症候群平成19年6月」 https://www.pmda.go.jp/files/000146073.pdf(参照2022-10-31)
  4. 北見周,渡辺秀晃,末木博彦ほか:Stevens-Johnson 症候群ならびに中毒性表皮壊死症の全国疫学調査-平成20年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 重症多形滲出性紅斑に関する調査研究-,日皮会誌、 2011;121:2467―2482.(レベルV)

最終更新:2022年11月15日
監修医師:HOKUTO編集部医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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