HOKUTO編集部
9ヶ月前

切除可能な食道扁平上皮癌 (ESCC) 患者を対象に、 術前FLOT (フルオロウラシル、 レボホリナート、 オキサリプラチン、 ドセタキセル) 療法の有効性および安全性を評価した第II相試験の結果、 主要評価項目である病理学的奏効割合 (pRR) が43.4%と良好な結果を示した。 がん研究会有明病院消化器化学療法科の福岡聖大氏が発表した。
本邦の切除可能なESCCに対する標準術前化学療法はDCF (ドセタキセル+シスプラチン+フルオロウラシル) 療法だが、 術前DCF療法を検証したJCOG1109試験では発熱性好中球減少 (FN) が16.3%と報告されるなど、 骨髄抑制が課題である。 加えて、 腎機能障害例への適応の難しさや、 76歳以上の高齢者における有効性の懸念から、 より安全で効果的な新レジメンが求められていた。
こうした背景から注目されたのがFLOT療法である。 食道胃接合部腺癌を対象に開発されたレジメンで、 FLOT4試験ではFN発現率は約2%とされており、 DCFに比べて骨髄抑制が軽度である可能性が示唆されている。 一方、 ESCCに対するエビデンスは十分ではなかった。
- 登録期間 : 2020年5月~24年10月
- 対象 : 切除可能な食道扁平上皮癌
- 介入 : FLOT療法→食道切除術 (術後補助療法は行わない)
【FLOT療法】2週ごと、 4サイクル
DTX : 50mg/m²を1時間で投与
L-OHP : 85mg/m²を2時間で投与
l-LV : 200mg/m²を2時間で投与
5-FU : 2,600mg/m²を24時間で投与
- 主要評価項目 : 食道癌取扱い規約第11版に基づく病理学的奏効割合 (pRR、 Grade 2以上)
- 副次評価項目 : 奏効割合、 病理学的完全奏効 (pCR) 割合、 無再発生存期間、 全生存期間、 有害事象発生割合など
登録54例のうち未治療1例を除いた53例が解析対象となった。
- 年齢中央値 : 65歳 (範囲59ー72歳)
- PS 0 : 96%、 PS 1 : 4%
- cStage I : 6%、 cStage II : 28%、 cStage III : 49%、 cStage IVB : 17%
46例 (87%) が4サイクルを完遂した。 主要評価項目は以下のとおり。
- pRR
- R0切除率 : 96%
- 好中球減少 73.6%
- 血小板減少 3.8%
- AST増加 1.9%
- ALT増加 3.8%
- 食欲不振 1.9%
- FN 1.9%
福岡氏は、 切除可能食道扁平上皮癌に対する術前FLOT療法が高い病理学的奏効率と許容可能な安全性プロファイルを示したことから、 新たな治療選択肢として有望である、 と結論付けた。
FLOT療法の2週間スケジュールにおいて、 血球減少を見逃さないための外来管理体制が問われた。 福岡氏は、 Day10~11頃に一度外来で血液検査を実施し、 必要に応じてG-CSF製剤を予防的に投与することで、 相対用量強度を維持できるよう調整していたと述べた。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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