HOKUTO編集部
11ヶ月前

進行大腸癌患者に対する抗EGFR抗体投与中に生じるざ瘡様皮疹に対して、 ジェル状の外用BRAF阻害薬LUT014による局所療法の有効性および安全性をプラセボを対照に検証した第Ⅱ相二重盲検無作為化比較試験LUT-02-01の結果から、 LUT014の高用量投与がざ瘡様皮疹を有意に改善した。 米・MD Anderson Cancer CenterのAnisha B. Patel氏が発表した。
抗EGFR抗体は進行癌の治療として承認されているが、 その副作用として患者の約90%にざ瘡様皮疹が生じ、 用量調整や中断に至ることがある。 これはEGFR阻害によるMAPK経路の抑制が皮膚細胞における炎症を引き起こすためである。
BRAF阻害薬はBRAF V600変異細胞においてMAPK経路を抑制する一方、 BRAF野生型細胞ではMAPK経路を活性化することが知られている。 本試験は、 ジェル状の外用BRAF阻害薬LUT014を皮疹に塗布することで、 ざ瘡様皮疹が局所的に減少するという仮説が検証された。
対象は、 抗EGFR抗体のセツキシマブまたはパニツムマブによる治療中でベースライン時にCTCAE Grade2または非感染性のGrade3のざ瘡様皮疹を呈した転移性大腸癌患者だった。
118例を以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付け、 28日間、 患者自身が患部にLUT014またはプラセボを塗布した。
プラセボ群では、 プラセボ終了後にFACT-EGFRI-18 HRQoL質問票の皮膚関連スコアが低い (≦44) 場合、 非盲検でLUT014 0.03%を4週間投与することが許容された。
主要評価項目はITT集団における治療成功率*だった。 副次評価項目は、 per protocol(PP)集団 (抗EGFR抗体の投与を中止した患者、 ざ瘡様皮疹以外の理由で脱落した患者を除外) における治療成功率の再解析、 安全性および忍容性の評価だった。
年齢中央値、 性別、 人種などの患者背景は3群間で概ねバランスが取れていた。 抗EGFR抗体としてパニツムマブを投与された患者は高用量群72% / 低用量群50% / プラセボ群67%で、 セツキシマブはそれぞれ28% / 48% / 33%だった。
ITT集団の治療成功率は高用量群が69%(95%CI 55-84%)で、 プラセボ群の33%(同 19-48%)と比較し有意に改善した(p=0.0015)。 また低用量群の治療成功率は47.5%(同 32-63%)で、 プラセボ群と比較し有意差はないものの良好な傾向が見られた(p=0.12)。
PP解析では高用量群25例、 低用量群29例、 プラセボ群29例が評価された。
PP集団における高用量群の治療成功率は76%(95%CI 59-93%)で、 プラセボ群の34.5%(同 17-53%)と比較し有意に改善した(p=0.002)。 低用量群の治療成功率は59%(同 41-76%)で、 プラセボ群と比較し有意ではないものの良好な傾向が見られ(p=0.07)、 PP集団においてもITT集団と同様の結果が得られた。
ざ瘡様皮疹によって抗EGFR療法を中断した患者数は、 プラセボ群の11例と比較し高用量群が4例(p=0.04)、 低用量群が5例(p=0.09)と少数であり、 探索的解析ではあるものの、 用量にかかわらず改善傾向が見られた。
プラセボ群39例のうち、 17例がプラセボ投与後に非盲検での低用量LUT014 (0.03%) 投与を受け、 治療成功率は53%(95%CI 29-77%)だった。 さらにPP集団13例の治療成功率も69%(同 44-94%)に達し、 プラセボに反応しなかった症例においても、 LUT014 0.03%によるざ瘡様皮疹の改善傾向が示された。
治療関連有害事象 (AE) は、 高用量群20%、 低用量群18%、 プラセボ群26%で発現した。 そのうちGrade3以上の治療関連AEは、 高用量群が1例 (痒み)、 プラセボ群が3例 (灼熱感、 皮膚刺激、 刺痛) だった。
Patel氏は 「セツキシマブまたはパニツムマブ治療に関連するざ瘡様皮疹を呈する大腸癌患者に対して、 外用BRAF阻害薬であるLUT014 0.1%ジェルは、 プラセボジェルと比較し有意な有効性を示し、 忍容性も良好だった。 さらにプラセボ投与後のLUT014 0.03%ジェルへのクロスオーバー症例においても、 ざ瘡様皮疹への有益性が示唆された。 またLUT014投与患者では、 抗EGFR療法の中断率が低かった」 と報告した。



編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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