海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前

Ratziuらは、 代謝異常関連脂肪性肝疾患 (MASLD) 疑いで肝生検を受けた患者を対象に、 代謝異常関連脂肪肝炎 (MASH) の進行を予測する非侵襲的血清バイオマーカーを多施設後ろ向き研究で検証した。 その結果、 トロンボスポンジン-2 (TSP2) は高リスクMASHや高度線維化の判別に有用であることが明らかとなった。 本研究はGut誌において発表された。
本研究は、 中央病理読影の欠如、 生検サンプルの質の不明確さ、 評価者間ばらつき、 そして肝生検固有のサンプリング誤差というlimitationがあります。
MASHの疾患進行を特定するための非侵襲的バイオマーカーが必要とされる。 本研究は、 肝トランスクリプトーム解析で代謝異常関連脂肪性肝疾患 (MASLD) の重症度と関連が同定されたTSP2、 インスリン様成長因子結合タンパク質-7 (IGFBP7)、 増殖分化因子15 (GDF15)、 およびCD163の臨床的有用性の検証を目的とした。
MASLDが疑われ肝生検を受けた患者を対象とし、 後ろ向きに評価した。 血清TSP2、 IGFBP7、 GDF15、 CD163濃度はELISA法で測定し、 FIB-4、 肝硬度 (VCTE)、 Agile3、 FASTスコアと比較した。 評価項目は、 高リスクMASH (ARM; NAS>4かつ線維化ステージ2-4) と、 高度線維化 (AF; 線維化ステージ3~4) だった。
469例が評価された。 AFに対するTSP2のROC曲線下面積 (AUROC) は、 0.812 (95%CI 0.766-0.859) であり、 他バイオマーカー (0.680-0.769、 p<0.001) や従来指標 (VCTE 0.739 [p<0.04]、 FIB-4 0.726 [p<0.01]、 Agile3 0.755 [p=0.20]) より優れていた。
ARMに対するTSP2のAUROCも0.812 (95%CI 0.758-0.858) で、 他バイオマーカー (0.722-0.748、 p<0.001) やFAST (0.761、 p=0.17) より高値だった。
TSP2に臨床変数 (AST、 年齢、 血小板数、 アルブミン、 GGT) を組み合わせたモデルでは、 AFに対するAUROCは0.846 (95%CI 0.807-0.885)、 ARMに対しては0.845 (95%CI 0.806-0.880) とさらに改善が見られ、 他バイオマーカーを有意に上回った。
著者らは、 「TSP2は単独または臨床・生化学的因子との組み合わせにより、 MASLD患者における高度線維化および高リスクMASHの診断に高い有用性を示した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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