海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Devereuxらは、 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の患者を対象に、 ビソプロロールがCOPD増悪を減少させるかどうかを二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験BICSで検討した。 その結果、 ビソプロロールはCOPD増悪を減少させなかった。 本研究はJAMAにおいて発表された。
ベイジアンプラットフォーム研究が流行っている影響なのか、 目標の1/3の患者数で終了してもしっかりとJAMAに掲載されているところに目が行きます。 これを見るといわゆるベイズを使用しないクラシックな研究手法でも十分戦えると思います。
既報の観察研究では、 β遮断薬とCOPD増悪リスク低下の関連が示唆されている。 しかし近年、 メトプロロールはCOPD増悪を抑制せず、 入院を必要とするCOPD増悪を増加させると報告された。 そこで本試験では、 増悪リスクの高いCOPD患者を対象として、 ビソプロロールがCOPD増悪を減少させるかどうかを検討した。
以下を満たすCOPD患者
英国の76施設で実施した二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験。
以下の2群に無作為に割り付け、 経口投与した。
治療期間 (1年間) の患者報告によるCOPD増悪回数
515例 (平均年齢68歳、 男性の割合53%、 平均FEV1 50.1%) のうち、 514例で主要評価項目のデータが得られた。
ビソプロロール群 (514例)
プラセボ群
補正後発生率比
0.97 (95%CI 0.84-1.13、 p=0.72)
ビソプロロール群 : 14.5%
プラセボ群 : 14.3%
RR : 1.01 (95%CI 0.62-1.66)、 p=0.96
著者らは 「増悪リスクの高いCOPD患者において、 経口コルチコステロイド、 抗生物質、 または両方による治療を必要とするCOPD増悪は、 ビソプロロールによる治療によって減少しなかった」 と結論付けている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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