HOKUTO編集部
8日前

アロマターゼ阻害薬 (AI) を含む5年間の術後内分泌療法を完遂したホルモン受容体陽性の閉経後乳癌において、 レトロゾール5年間の延長投与とプラセボを比較した二重盲検無作為化比較試験NSABP B-42の最終解析結果が報告された。 追跡期間中央値15.9年で、 無病生存期間、 乳癌無再発期間および遠隔再発の改善が持続した一方、 全生存期間 (OS) に有意な改善は認められなかった。 米・AdventHealth Cancer InstituteのEleftherios P. Mamounas氏が発表した。
NSABP B-42試験は、 5年間の内分泌療法後のレトロゾール延長投与の有効性を検証した試験である。 10年解析では、 無病生存期間 (DFS) がHR 0.85 (95%CI 0.74–0.96、 p=0.01)、 乳癌無再発期間 (BCFI : 乳癌再発または対側乳癌発症までの期間) がHR 0.75 (95%CI 0.62–0.91、 p=0.003)、 遠隔再発 (DR) がHR 0.72 (95%CI 0.55–0.92、 p=0.01) と有意に改善したものの、 OSに有意な改善は認められなかった¹⁾。 今回、 同試験の15年追跡の最終解析が報告された。
同試験では、 閉経後のER陽性またはPR陽性乳癌 (診断時Stage I~IIIA) で、 AI 5年間、 またはタモキシフェン≦3年後のAIで計5年間の内分泌療法を完遂し無病であった3,966例 (2006年9月~2010年1月に無作為化) を、 レトロゾール2.5 mg/日5年間群とプラセボ5年間群に1:1で割り付けた。
層別化因子はリンパ節転移の有無、 タモキシフェン前治療の有無、 骨密度T scoreであった。
主要評価項目はDFS、 副次評価項目はOSおよびBCFI、 DR、 骨粗鬆症性骨折、 動脈血栓イベントであった。 解析はITT原則に基づいた。
追跡は2026年8月に完了し、 追跡期間中央値は15.9年であった。 DFS解析対象は3,906例 (プラセボ群1,954例、 レトロゾール群1,952例) で、 患者背景に両群間の有意差は認められなかった。
主要評価項目のDFSは、 レトロゾール群でプラセボ群に比べ有意に改善した (HR 0.85、 95%CI 0.76–0.94、 p=0.002)。 15年DFS率はそれぞれ61.6%、 56.5%で、 絶対差は5.1%㌽であった。
最初のDFSイベントとして遠隔再発を認めたのは、 レトロゾール群で100例 (5.1%)、 プラセボ群で137例 (7.0%) であった。 DFSにおけるレトロゾール群での治療効果は、 層別化因子別のサブグループ間でも一貫していた。
副次評価項目のBCFIにおいても、 レトロゾール群でプラセボ群に比べ有意に改善した (HR 0.78、 95%CI 0.67–0.92、 p=0.003)。 BCFIイベントの15年累積発生率は、 それぞれ14.7%、 18.3%であった。 遠隔再発も有意に減少し (HR 0.72、 95%CI 0.57–0.91、 p=0.005)、 15年累積発生率はそれぞれ6.9%、 9.7%であった。
15年OS率は、 レトロゾール群で74.0%、 プラセボ群72.3%であり、 両群間に有意差は認められなかった (HR 0.92、 95%CI 0.82–1.05、 p=0.21)。
一方、 乳癌死の15年累積発生率は、 レトロゾール群5.0%、 プラセボ群6.5%とレトロゾール群で数値上低かったが、 両群間で有意差は認められなかった (HR 0.78、 95%CI 0.59–1.03、 p=0.08)。 乳癌以外または原因不明の死亡の15年累積発生率も、 それぞれ21.0%、 21.2%で、 両群間に有意差は認められなかった。
骨粗鬆症性骨折の15年累積発生率は、 レトロゾール群9.2%、 プラセボ群8.7%であった (HR 1.08、 95%CI 0.87–1.35、 p=0.47)。 動脈血栓イベントの15年累積発生率はそれぞれ5.6%、 5.5%で (HR 1.06、 95%CI 0.80–1.41、 p=0.68)、 いずれも両群間に有意差は認められなかった。
Mamounas氏は、 15年解析でもレトロゾール延長投与によるDFS、 BCFIの有意な改善と遠隔再発の有意な減少が持続したと結論付けた。 DFSイベント、 BCFIイベント、 遠隔再発のリスクはそれぞれ15%、 22%、 28%低減し、 15年時点の絶対差は5.1%㌽、 3.6%㌽、 2.8%㌽であった。 OSに有意な改善は認められず、 乳癌死は減少傾向であった。 骨粗鬆症性骨折と動脈血栓イベントの有意な増加は認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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