海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前

Bertiniらは、 病理学的に高リスクの前立腺癌患者を対象に、 ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術 (RALP) 後の前立腺特異抗原 (PSA) 遷延が長期的な予後に及ぼす影響を後方視的コホート研究で検討した。 その結果、 PSA遷延は追加治療率の増加と関連したが、 10年時点での癌特異的死亡や全死亡に有意な影響は認められなかった。 本研究はProstate誌において発表された。
本研究は単施設かつ観察研究であり、 一般的な施設特有の紹介バイアスや治療選択バイアス、 交絡因子の影響を完全に排除できないという限界があります。
RALPは局所進行または高リスク前立腺癌に対する主要な外科的治療であるが、 術後にPSAが検出可能なまま残存する患者 (PSA遷延例) の長期的な転帰については知見が限られている。 本研究は、 これらの患者における長期生存率と追加治療 (AT) 率を評価することを目的とした。
対象は2001~22年にHenry Ford HospitalでRALPを受けた病理学的高リスク前立腺癌 (pT≥3a、 pN0-1、 またはGrade Group≥4) の803例のうち、 PSA遷延に関する情報が得られた675例であり、 PSA遷延の有無に基づき2群に割り付けた。 主要評価項目はAT、 癌特異的死亡 (CSM)、 全死亡 (ACM) で、 副次的評価項目は術後PSA値、 腫瘍病期 (pT3b-4) などだった。
675例のうち187例 (27.7%) がPSA遷延を認め、追跡期間中央値は75ヵ月 (IQR: 33-125ヵ月)、手術時年齢中央値は64歳 (IQR: 59-68歳)だった。
PSA遷延群は非遷延群に比べ、 術前PSA中央値が高値 (PSA遷延群 8ng/mL / PSA非遷延群 7ng/mL、 p<0.001)、 pT3b-4率が高値 (62.5%/39.9%、 p<0.001)、 pN1率が高値 (55.6%/35.7%、 p<0.001)、 切除断端陽性率が高値 (65.2%/43.4%、 p<0.001) であった。
またATはPSA遷延群で有意に多く、 ATの内容としてはホルモン療法単独 (24.1%/11.9%、 p<0.001)、 放射線療法+ホルモン療法 (50.8%/31.1%、 p<0.001) だった。
10年時点の各生存率は以下の通りだった。
多変量解析の結果から、 PSAの遷延はAT率と有意に関連 (HR 3.05、 p<0.001) したが、 CSM (HR 1.49、 p=0.2) やACM (HR 1.09、 p=0.9) との関連は認められなかった。
著者らは、 「病理学的高リスクの前立腺癌で、 RALP後にPSAが遷延した患者は、 追加治療の実施率が高いにも関わらず、 10年時点の癌特異的死亡および全死亡においては非遷延群と同等の長期予後を示した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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