【JAMA Oncol】ICIへの放射線治療追加で局所進行固形癌のPFS・OS改善せず
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1年前

【JAMA Oncol】ICIへの放射線治療追加で局所進行固形癌のPFS・OS改善せず

【JAMA Oncol】ICIへの放射線治療追加で局所進行固形癌のPFS・OS改善せず
Spaasらは、 局所進行または遠隔転移を有する固形癌患者を対象に、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) に放射線治療を追加した場合の効果を第Ⅱ相非盲検無作為化試験CHEERSで検討。 その結果、 放射線療法の追加による無増悪生存期間 (PFS) や全生存期間 (OS) の明確な改善は確認されなかった。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。 

📘原著論文

Checkpoint Inhibitors in Combination With Stereotactic Body Radiotherapy in Patients With Advanced Solid Tumors: The CHEERS Phase 2 Randomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2023 Jul 6;e232132. PMID: 37410476

👨‍⚕️監修医師のコメント

対照群の半数以上がなんらかの放射線治療を受けているのは本研究のlimitationです。


背景

PD-1とPD-L1を標的とするICIは多くの癌の転帰を改善しているが、 一部の患者はICI単独療法に反応しない。 放射線の分割照射がICIの効果を向上させる可能性が提唱されている。

研究デザイン

対象

局所進行または遠隔転移を有する悪性黒色腫、 腎細胞癌、 尿路上皮癌、 頭頸部扁平上皮癌、 非小細胞肺癌の18歳以上の患者

介入

患者を以下の群に割り付け。

  • 対照群:抗PD-1/PD-L1抗体(ICI)単独投与
  • 試験群:ICIに体幹部定位放射線治療を追加
ICIの2サイクル目または3サイクル目の前に体幹部定位放射線治療を最大3病変まで3×8Gy併用

主要評価項目

PFS

副次評価項目

OS、 客観的奏効率、 局所制御率、 毒性作用

研究結果

主要評価項目 (PFS中央値)

  • 対照群:2.8カ月
  • 試験群:4.4カ月
  • HR 0.95、 95%CI 0.58-1.53、 P=0.82

副次評価項目

OS中央値

対照群と実験群の間で、 OS中央値の改善は観察されなかった。

  • 対照群:11.0カ月
  • 試験群:14.3カ月
  • HR 0.82、 95%CI 0.48-1.41、 P=0.47

客観的奏効率

客観的奏効率に統計的有意差はなかった。

  • 対照群:22%
  • 試験群:27%
  • P=0.56

安全性評価

治療に関連する有害事象の発現

全グレード

  • 対照群:79%
  • 試験群:78%

グレード3以上の有害事象

  • 対照群:18%
  • 試験群:18%

結論

ICI単独療法への放射線治療の追加は、 安全ではあるもののPFSやOSの明確な改善は示されなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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