海外ジャーナルクラブ
1年前
Qinらは、 切除不能な肝細胞癌患者を対象に、 1次治療としての抗PD-1抗体tislelizumabの有効性と安全性を第Ⅲ相国際共同非盲検無作為化試験RATIONALE-301で検討した。 その結果、 tislelizumabは全生存期間 (OS) において、 ソラフェニブに比し非劣性であった。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。
日本からのincludeが多く、 アジア全体で7割以上を占めるのは一般化という意味ではlimitationですが、 First-line treatmentでの非劣性を証明した意義は大きいです。 サンプルサイズ計算で非劣性、 優性のどちらも設定しているのが素晴らしいです。
肝細胞癌は癌関連死亡の主要な原因であり、 さらなる1次選択治療のオプションが求められている。 tislelizumabは、 肝細胞癌の2次治療として有効であり、 忍容性のある安全性プロファイルが示されている。
切除不能な肝細胞癌の成人患者:674例
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた。
OS
客観的奏効率、 無増悪生存期間 (PFS)、 奏効期間 (DOR)、 安全性
OS中央値
OSに関して、 tislelizumab群はソラフェニブ群対し非劣性であった。
HR 0.85 (95.003%CI 0.71-1.02)
客観的奏効率
DOR中央値
PFS中央値
治療下での有害事象発現率
Grade 3以上の治療関連有害事象
治療中止および薬剤変更
治療中止および薬剤変更に至った治療関連有害事象の発現率は、 tislelizumab群の方が低かった。
治療中止
薬剤変更
tislelizumabはOSにおいて、 ソラフェニブに比して非劣性であった。 また、 tislelizumabは客観的奏効率が高く持続的奏効を示したが、 PFSはソラフェニブの方が長かった。 安全性プロファイルはtislelizumab群の方が良好であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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