【JAMA Oncol】肝細胞癌への抗PD-1抗体tislelizumab、 ソラフェニブと比しOSで非劣性を証明
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Oncol】肝細胞癌への抗PD-1抗体tislelizumab、 ソラフェニブと比しOSで非劣性を証明

【JAMA Oncol】肝細胞癌への抗PD-1抗体tislelizumab、 ソラフェニブと比しOSで非劣性を証明
Qinらは、 切除不能な肝細胞癌患者を対象に、 1次治療としての抗PD-1抗体tislelizumabの有効性と安全性を第Ⅲ相国際共同非盲検無作為化試験RATIONALE-301で検討した。 その結果、 tislelizumabは全生存期間 (OS) において、 ソラフェニブに比し非劣性であった。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。 

📘原著論文

Tislelizumab vs Sorafenib as First-Line Treatment for Unresectable Hepatocellular Carcinoma: A Phase 3 Randomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2023 Oct 5:e234003. PMID: 37796513

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

日本からのincludeが多く、 アジア全体で7割以上を占めるのは一般化という意味ではlimitationですが、 First-line treatmentでの非劣性を証明した意義は大きいです。 サンプルサイズ計算で非劣性、 優性のどちらも設定しているのが素晴らしいです。

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肝癌のTNM臨床病期分類

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肝細胞癌の肝予備能評価

背景

肝細胞癌は癌関連死亡の主要な原因であり、 さらなる1次選択治療のオプションが求められている。 tislelizumabは、 肝細胞癌の2次治療として有効であり、 忍容性のある安全性プロファイルが示されている。

研究デザイン

対象

切除不能な肝細胞癌の成人患者:674例

BCLCステージBまたはC、 局所療法後の病勢進行、 ECOG PS 1以下、 Child-PughクラスAの全身療法未治療の成人患者

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた。

  • tislelizumab 群:tislelizumab 200mgを3週ごとに静脈内投与
  • ソラフェニブ群:ソラフェニブ 400mgを1日2回経口投与

主要評価項目

OS

副次評価項目

客観的奏効率、 無増悪生存期間 (PFS)、 奏効期間 (DOR)、 安全性

研究結果

有効性評価

OS中央値

OSに関して、 tislelizumab群はソラフェニブ群対し非劣性であった。

  • tislelizumab群:15.9ヵ月 (95%CI 13.2-19.7ヵ月)
  • ソラフェニブ群:14.1ヵ月 (95%CI 12.6-17.4ヵ月)
HR 0.85 (95.003%CI 0.71-1.02) 

客観的奏効率

  • tislelizumab群:14.3%
  • ソラフェニブ群:5.4%

DOR中央値

  • tislelizumab群:36.1ヵ月 (95%CI 16.8ヵ月-NE)
  • ソラフェニブ群:11.0ヵ月 (95%CI 6.2-14.7ヵ月)

PFS中央値

  • tislelizumab群:2.1ヵ月 (95%CI 2.1-3.5ヵ月)
  • ソラフェニブ群で3.4ヵ月 (95%CI 2.2-4.1ヵ月)

安全性評価

治療下での有害事象発現率

  • tislelizumab群:96.2%
  • ソラフェニブ群:100%

Grade 3以上の治療関連有害事象

  • tislelizumab群:22.2%
  • ソラフェニブ群:53.4%

治療中止および薬剤変更

治療中止および薬剤変更に至った治療関連有害事象の発現率は、 tislelizumab群の方が低かった。

治療中止

  • tislelizumab群:6.2%
  • ソラフェニブ群:10.2%

薬剤変更

  • tislelizumab群:20.1%
  • ソラフェニブ群:57.7%

結論

tislelizumabはOSにおいて、 ソラフェニブに比して非劣性であった。 また、 tislelizumabは客観的奏効率が高く持続的奏効を示したが、 PFSはソラフェニブの方が長かった。 安全性プロファイルはtislelizumab群の方が良好であった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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