【NEJM】慢性B型肝炎ウイルスの治療にベピロビルセンが有効
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1年前

【NEJM】慢性B型肝炎ウイルスの治療にベピロビルセンが有効

【NEJM】慢性B型肝炎ウイルスの治療にベピロビルセンが有効
Yuenらは、 慢性B型肝炎ウイルス (HBV) 感染者を対象に、 ベピロビルセンの有効性と安全性を第Ⅱb相無作為化試験で検討 (B-Clear試験)。 その結果、 ベピロビルセンを週300mgの用量で24週間投与したところ、 慢性HBV感染者の9~10%でB型肝炎表面抗原 (HBsAg) およびHBV DNAが持続的に消失した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Efficacy and Safety of Bepirovirsen in Chronic Hepatitis B Infection. N Engl J Med. 2022 Nov 24;387(21):1957-1968.PMID: 36346079

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

24週以降も効果が持続するのかどうか、 またこの薬剤を投与終了しても良いのかどうか疑問点はまだまだ残りますが、 慢性B型肝炎も新しい時代に突入しそうです.

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背景

ベピロビルセンは、 すべてのHBVメッセンジャーRNAを標的とし、 ウイルスタンパク質のレベルを減少させる作用を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。

研究デザイン

対象

ヌクレオシドまたはヌクレオチドアナログ (NA) 療法を受けている、 または受けていない慢性HBV感染者。

以下の群に3:3の比率で無作為に割り付け

  • 第1群:ベピロビルセン300mgを24週間投与する群
  • 第2群:ベピロビルセン300mgを12週間投与後150mgを12週間投与する群
  • 第3群:ベピロビルセン300mgを12週間投与後プラセボを12週間投与する群
  • 第4群:プラセボ12週間投与後ベピロビルセン300mgを12週間投与する群
第1、 2、 3群は、 ベピロビルセンのローディングドーズを受けた。

主要評価項目

B型肝炎表面抗原 (HBsAg) 値が検出限界以下、 HBV DNA値が定量限界以下で、 ベピロビルセンの治療終了予定日から24週間、 抗ウイルス薬を新たに開始することなく維持されること。

研究結果

解析対象

intention-to-treat集団:457名

  • NA療法を受けた患者:227名
  • NA療法を受けていない患者:230名

主要評価項目

NA療法を受けた患者

  • 第1群:9% (6名、 95%CI 0-31)
  • 第2群:9% (6名、 95%CI 0-43)
  • 第3群:3% (2名、 95%CI 0-16)
  • 第4群:0% (0名、 ポストホックCI 0-8)

NA療法を受けなかった患者

  • 第1群:7名 (10%、 95%信頼区間、 0-38)
  • 第2群:4名 (6%、 95%信頼区間、 0-25)
  • 第3群:1名 (1%、 ポストホック信頼区間、 0-6)
  • 第4群:0 (0%、 ポストホック信頼区間、 0-8)

安全性評価

第1~12週において、 注射部位反応、 発熱、 疲労、 ALT値の上昇などの有害事象が、 ベピロビルセン投与群 (第1~3群) において多くみられた。

結論

ベピロビルセンを週300 mgの用量で24週間投与したところ、 慢性HBV感染者の9~10%でHBsAgおよびHBV DNAが持続的に消失した。 ベピロビルセンの有効性と安全性を評価するためには、 より大規模で長期間の試験が必要である。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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