海外ジャーナルクラブ
22日前
Cercekらは、 早期dMMR固形腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害薬による術前療法の効果を検討する第II相試験を実施した。 その結果、 dMMRを有する局所進行直腸癌および非直腸性固形腫瘍で、 術前療法としての抗PD-1抗体dostarlimabにより高頻度で臨床的完全奏効が得られ、 患者の多くが非手術的管理を選択した。 試験結果はNEJM誌に発表された。
Discussionが11の短い段落に分かれて記載されており、 また新たな論文の形をNEJMは提供しています。
ミスマッチ修復機構欠損 (dMMR) を有する局所進行直腸癌患者では、 免疫チェックポイント阻害薬による術前療法で手術不要となる症例が多く報告されている。
しかし、 このアプローチが腫瘍の部位に関係なく、 どの早期dMMR固形腫瘍に適用可能かどうかは不明である。
I~III期dMMR固形腫瘍患者の術前療法として、 抗PD-1抗体dostarlimabを6ヵ月間投与し、 2つのコホートで評価した。
コホート1はdMMRを有する局所進行直腸癌、 コホート2はdMMR非直腸性固形腫瘍を有する患者であった。
主要評価項目はコホート1における12ヵ月後の持続的な臨床的完全奏効であり、 再発のない生存率および安全性も評価した。 臨床的完全奏効に至った患者は非手術的管理が選択できることとした。
主要評価項目については、 コホート1で治療を完了した49例中37例が、 12ヵ月後も持続的な臨床的完全奏効を維持した。 各コホートでの結果は以下の通りであった。
2年後の無再発生存率は92% (95%CI 86-99) であり、 副作用については60%が可逆的なグレード1または2であり、 患者の35%で副作用がなかった。
治療中や治療後に根治的切除が不可能となった例はなかった。
著者らは、 「根治的手術が可能な早期dMMR固形腫瘍患者では、 抗PD-1抗体による術前療法は高確率で臓器温存を可能とする」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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