臨床試験データベース
1年前
アルキル化薬を含む化学療法歴のある転移性乳癌患者において、 ドセタキセルの効果とドキソルビシンの効果を検証した第Ⅲ相無作為化比較試験の結果より、 ドセタキセルが高い奏効率 (ORR) を示したものの、 無増悪期間 (TTP) 、 治療成功期間 (TTF) 、 全生存期間 (OS) の有意な延長は認められなかった。
▼解析結果
アルキル化薬を含む化学療法歴のある転移性乳癌患者
326例を以下の2群に1:1で割り付けた
TTP、 TTF、 OS、 ORR、 QOL*
log-rank検定 p=0.4506、 Wilcoxon検定 p=0.0996
log-rank検定 p=0.1017、 Wilcoxon検定 p=0.0137
log-rank検定 p=0.3893、 Wilcoxon検定 p=0.4109
p=0.008
ORRのサブグループ解析
ドセタキセル群は、 ほぼ全てのサブグループでドキソルビシン群よりも高い奏効率を示した。 特に肝浸潤やアルキル化薬に対する抵抗性を示した患者において顕著にみられた。
ベースラインからのスコア減少の平均値は、 2つの治療群で有意差はなかった。
アルキル化薬を含む化学療法歴のある転移性乳癌患者において、 ドセタキセル群は、 ドキソルビシン群と比較し高いORRを示した一方で、 TTP、 TTF、 OSの有意な延長は認められず、 少なくとも同程度には適切な治療である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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