海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前

Barsoukらは、 米国の単一施設において、 EGFR遺伝子変異陽性転移性非小細胞肺癌 (mNSCLC) 患者の1次治療におけるオシメルチニブの減量投与と標準用量維持投与が臨床転帰に及ぼす影響を後ろ向き観察研究で比較評価した。 その結果、 オシメルチニブの減量投与は無増悪生存期間 (PFS) を短縮した一方で、 治療中止までの期間 (TTD) および全生存期間 (OS) では標準用量維持投与と有意差が認められなかった。 本研究はLung Cancer誌において発表された。
単施設の後ろ向き研究のため結果には選択バイアスが含まれる可能性があり、 減量群の症例数が26例と少ないため、 統計的検出力に限界があります。
第Ⅲ相FLAURA試験の結果を受け、 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬オシメルチニブはEGFR変異陽性mNSCLCの1次治療における標準治療となった。 一方で、 有害事象 (AE) によるオシメルチニブの減量投与が臨床転帰に及ぼす影響を標準用量維持投与と比較したデータは限定的である。
そこで本研究では、 これらが臨床転帰に及ぼす影響を後ろ向きに比較評価した。
2018~23年に米国の単一施設で、 1次治療としてオシメルチニブを投与されたEGFR変異陽性mNSCLC患者171例が以下の2群に分類された。
電子カルテからベースラインの患者背景、 疾患特性、 治療歴、 毒性および臨床転帰を抽出し、 独立標本t検定およびカイ二乗検定を用いて比較した。
PFS、 TTD、 OSは、 Kaplan–Meier法によるログランク検定および時間依存共変量を用いたCox回帰解析で比較した。
性別 (p=0.458)、 人種 (p=0.421)、 診断時のECOG PS>1 (p=0.730)、 喫煙歴 (p=0.485) は、 減量群と標準用量群で同等であった。 また、 診断時に中枢神経系 (CNS) 転移が減量群の44%、 標準用量群の34%で認められた (p=0.192)。
AEは減量群の全例 (100%)、 標準用量群の48%に発現した (p<0.001)。
減量群のPFS中央値は17.0ヵ月であり、 標準用量群の24.6ヵ月と比べて有意に短縮した (p=0.043)。
CNS転移の有無によらず、 減量群のPFS中央値は標準用量群と比べて短縮した (CNS転移あり : p=0.041、 CNS転移なし : p=0.048)。
時間依存共変量を用いた多変量解析では、 ベースライン特性によらず減量投与はPFS不良と関連していた (p=0.047)。
TTD中央値は減量群が21.3ヵ月、 標準用量群が25.2ヵ月であり、 両群間で有意差が認められなかった (p=0.521)。
全生存期間 (OS) 中央値もそれぞれ36.7ヵ月、 39.2ヵ月と有意差が認められなかった (p=0.749)。
AEにより中止に至った患者は14例 (8%) であり、 そのうち9例 (64%) は減量投与されていた。 治療中止例と継続例のPFS中央値 (p=0.334) およびOS中央値 (p=0.910) で有意差は認められなかった。
著者らは 「オシメルチニブの減量投与は比較的稀であったが、 PFS短縮と関連していた。 一方で、 TTDおよびOSは、 減量投与と標準用量維持投与で同等であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。