海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Loweらは、 妊娠30週未満で出生した早産児を対象に、 マクロライド系抗菌薬アジスロマイシンによる早産児の慢性肺疾患 (CLD) の予防効果について、 多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験AZTECで検討した。 その結果、 アジスロマイシンは中等度または重度の早産児CLDを予防できないことが明らかとなった。 本研究はLancet Respir Medにおいて発表された。
専門外でもしっかりとした研究成果の印象を受けましたが、 text中にwe are confident the results are robustと著者らの研究成果に対する強い自信が記載されています。
早産児CLDは新生児死亡率や長期的な慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の発症率に影響する重篤な肺疾患であり、 特に妊娠30週未満で出生した早産児は発症リスクが高い。 しかし、 高リスク早産児において、 マクロライド系抗菌薬が同疾患の発症率を低下させるかどうかについては、 エビデンスの報告に一貫性がない。
妊娠30週未満で出生し、 生後72時間以内に持続的陽圧呼吸療法、 加湿経鼻高流量酸素療法、 または気管内チューブによる侵襲的補助換気を2時間以上受けた早産児 : 796例
児を1 : 1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた。
割り付けは施設と出生時の妊娠週数 (28週未満 or 28週以上) で層別化した。
月経後36週時点における中等度または重度のCLD無発症での生存
重篤な有害事象の発現
aOR 0.84 (95%CI 0.55-1.29、 p=0.43)
ウレアプラズマ属菌のコロニー形成の有無は治療効果に影響しなかった。
妊娠30週未満で出生したCLD高リスクの早産児に対するアジスロマイシンの予防的投与は、 ウレアプラズマ属菌のコロニー形成の有無にかかわらず、 中等度または重度のCLDなしでの生存率を向上させなかったため、 臨床診療での使用は推奨されない。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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