【Lancet Respir Med】アジスロマイシン、 早産児の慢性肺疾患を予防せず
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海外ジャーナルクラブ

6ヶ月前

【Lancet Respir Med】アジスロマイシン、 早産児の慢性肺疾患を予防せず

【Lancet Respir Med】アジスロマイシン、 早産児の慢性肺疾患を予防せず
Loweらは、 妊娠30週未満で出生した早産児を対象に、 マクロライド系抗菌薬アジスロマイシンによる早産児の慢性肺疾患 (CLD) の予防効果について、 多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験AZTECで検討した。 その結果、 アジスロマイシンは中等度または重度の早産児CLDを予防できないことが明らかとなった。 本研究はLancet Respir Medにおいて発表された。

📘原著論文

Azithromycin therapy for prevention of chronic lung disease of prematurity (AZTEC): a multicentre, double-blind, randomised, placebo-controlled trial. Lancet Respir Med. 2024 Apr 25:S2213-2600(24)00079-1. PMID: 38679042

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

専門外でもしっかりとした研究成果の印象を受けましたが、 text中にwe are confident the results are robustと著者らの研究成果に対する強い自信が記載されています。

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マクロライド系抗菌薬は早産児のCLDを予防するか?

早産児CLDは新生児死亡率や長期的な慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の発症率に影響する重篤な肺疾患であり、 特に妊娠30週未満で出生した早産児は発症リスクが高い。 しかし、 高リスク早産児において、 マクロライド系抗菌薬が同疾患の発症率を低下させるかどうかについては、 エビデンスの報告に一貫性がない。

30w未満早産児を対象にしたRCT

対象

妊娠30週未満で出生し、 生後72時間以内に持続的陽圧呼吸療法、 加湿経鼻高流量酸素療法、 または気管内チューブによる侵襲的補助換気を2時間以上受けた早産児 : 796例

介入

児を1 : 1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた。

  • アジスロマイシン群 : 394例
アジスロマイシン20mg/kgを3日間投与→10mg/kgを7日間静脈内投与
  • プラセボ群 : 402例

割り付けは施設と出生時の妊娠週数 (28週未満 or 28週以上) で層別化した。

主要評価項目

月経後36週時点における中等度または重度のCLD無発症での生存

副次評価項目

重篤な有害事象の発現

CLD無発症での生存率は向上せず

主要評価項目

月経後36週時点での中等度or重度CLD無発症での生存率
  • アジスロマイシン群 : 42% (394例中166例)
  • プラセボ群 : 45% (402例中179例)
aOR 0.84 (95%CI 0.55-1.29、 p=0.43) 

ウレアプラズマ属菌のコロニー形成の有無は治療効果に影響しなかった。

安全性評価

重篤な有害事象発現率
  • アジスロマイシン群 : 7件
  • プラセボ群 : 6件

アジスロマイシンの予防的投与は推奨されない

妊娠30週未満で出生したCLD高リスクの早産児に対するアジスロマイシンの予防的投与は、 ウレアプラズマ属菌のコロニー形成の有無にかかわらず、 中等度または重度のCLDなしでの生存率を向上させなかったため、 臨床診療での使用は推奨されない。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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