海外ジャーナルクラブ
1年前
Hadouxらは、 RET遺伝子変異陽性甲状腺髄様癌の1次治療において、 RET受容体型チロシンキナーゼ阻害薬セルペルカチニブの有効性を第Ⅲ相無作為化比較試験で検討した。 その結果、 セルペルカチニブ投与は対照群 (カボザンチニブまたはバンデタニブ) と比較して、 無増悪生存期間 (PFS) および無治療生存期間 (TFS) を延長した。 本研究はNEJM誌において発表された。
セルペルカチニブは、 RETキナーゼ阻害薬のうち選択性が高く、 効力の強い画期的な新薬です。
セルペルカチニブは第Ⅰ/Ⅱ相試験においてRET遺伝子変異陽性甲状腺髄様癌に対する有効性が示されたが、 すでに承認されているマルチキナーゼ阻害薬との比較における有効性は明らかでない。
登録前14ヵ月以内に進行性病変が確認されたRET遺伝子変異陽性甲状腺髄様癌で未治療の患者
患者を以下の群に割り付けた。
PFS
TFS (PFSが有意であった場合のみ試験)、 全奏効率 (ORR)、 安全性
主要評価項目
12ヵ月時点のPFS中央値
HR 0.28 (95%CI 0.16-0.48、 p<0.001)
12ヵ月時点のPFS率
副次評価項目
12ヵ月時点のTFS中央値
HR 0.25 (95%CI 0.15-0.42、 p<0.001)
12ヵ月時点のTFS率
ORR
有害事象により減量に至った患者
有害事象による治療中止
RET遺伝子変異陽性甲状腺髄様癌患者の1次治療において、 セルペルカチニブの投与はPFSおよびTFSを対照群 (カボザンチニブまたはバンデタニブ) に比べて延長することが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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