【NEJM】RET変異陽性甲状腺髄様癌の1次治療でセルペルカチニブが有効
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【NEJM】RET変異陽性甲状腺髄様癌の1次治療でセルペルカチニブが有効

【NEJM】RET変異陽性甲状腺髄様癌の1次治療でセルペルカチニブが有効
Hadouxらは、 RET遺伝子変異陽性甲状腺髄様癌の1次治療において、 RET受容体型チロシンキナーゼ阻害薬セルペルカチニブの有効性を第Ⅲ相無作為化比較試験で検討した。 その結果、 セルペルカチニブ投与は対照群 (カボザンチニブまたはバンデタニブ) と比較して、 無増悪生存期間 (PFS) および無治療生存期間 (TFS) を延長した。 本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Phase 3 Trial of Selpercatinib in Advanced RET-Mutant Medullary Thyroid Cancer. N Engl J Med. 2023 Oct 21. PMID: 37870969

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

セルペルカチニブは、 RETキナーゼ阻害薬のうち選択性が高く、 効力の強い画期的な新薬です。

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セルペルカチニブ

背景

セルペルカチニブは第Ⅰ/Ⅱ相試験においてRET遺伝子変異陽性甲状腺髄様癌に対する有効性が示されたが、 すでに承認されているマルチキナーゼ阻害薬との比較における有効性は明らかでない。

研究デザイン

対象

登録前14ヵ月以内に進行性病変が確認されたRET遺伝子変異陽性甲状腺髄様癌で未治療の患者

介入

患者を以下の群に割り付けた。

  • セルペルカチニブ群:セルペルカチニブを投与
  • 対照群:医師が選択したカボザンチニブまたはバンデタニブを投与

主要評価項目

PFS

副次評価項目

TFS (PFSが有意であった場合のみ試験)、 全奏効率 (ORR)、 安全性

◆研究結果

有効性評価

主要評価項目

12ヵ月時点のPFS中央値

  • セルペルカチニブ群:未到達
  • 対照群:16.8ヵ月 (95%CI 12.2-25.1ヵ月)
HR 0.28 (95%CI 0.16-0.48、 p<0.001) 

12ヵ月時点のPFS率

  • セルペルカチニブ群:86.8% (95%CI 79.8-91.6%)
  • 対照群:65.7% (95%CI 51.9-76.4%)

副次評価項目

12ヵ月時点のTFS中央値

  • セルペルカチニブ群:未到達
  • 対照群13.9ヵ月
HR 0.25 (95%CI 0.15-0.42、 p<0.001) 

12ヵ月時点のTFS率

  • セルペルカチニブ群:86.2% (95%CI 79.1-91.0%)
  • 対照群:62.1% (95%CI 48.9-72.8%)

ORR

  • セルペルカチニブ群69.4%
  • 対照群38.8%

安全性評価

有害事象により減量に至った患者

  • セルペルカチニブ群:38.9%
  • 対照群:77.3%

有害事象による治療中止

  • セルペルカチニブ群:4.7%
  • 対照群:26.8%

結論

RET遺伝子変異陽性甲状腺髄様癌患者の1次治療において、 セルペルカチニブの投与はPFSおよびTFSを対照群 (カボザンチニブまたはバンデタニブ) に比べて延長することが示された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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