海外ジャーナルクラブ
2年前
Kimballらは、 中等症から重症の化膿性汗腺炎患者を対象に、 セクキヌマブの有効性を2件の多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検第Ⅲ相試験で検討 (SUNSHINE試験、 SUNRISE試験)。 その結果、 セクキヌマブの2週間隔の投与は良好な安全性を有しており、 52週間持続して汗腺膿瘍の徴候および症状を速やかに改善する臨床的有効性が認められた。 本研究は、 Lancet誌において発表された。
セクキヌマブはIL-17Aに選択的な阻害薬ですが、 現在の皮膚科領域の研究成果を俯瞰してみますと、 将来的にはやはりmultiple targetが狙いになると思います。
化膿性汗腺炎におけるアダリムマブの使用上の注意/化膿性汗腺炎の診療の手引き
中等度から重度の化膿性汗腺炎患者に対する治療オプションはほとんどない。
少なくとも1年間、 中等症から重症の汗腺膿瘍を有する18歳以上の患者
両試験において、 患者は以下の群に1:1:1の割合で無作為に割り付けられた。
16週後に膿瘍および炎症性結節の数が50%以上減少し、 膿瘍および排出瘻孔数が増加しない患者の割合 (Hidradenitis Suppurativa. Clinical Response:HiSCR)とした。
SUNSHINE試験
676名の患者がスクリーニングされ、 80% (541名) が解析対象となった。
SUNRISE試験
687名がスクリーニングされ、 79% (543名) が解析対象となった。
SUNSHINE試験
SUNRISE試験
HiSCRが認められた患者数は、 プラセボ群 (31%) と比較し、 2週間隔投与群および4週間隔投与群で有意に多かった。
治療に対する患者の反応は、 試験終了の52週目まで持続した。
第16週までの優先期間別の最も一般的な有害事象として頭痛が確認された。
SUNSHINE試験
SUNRISE試験
16週目までの試験関連死亡は報告されていない。
両試験におけるセクキヌマブの安全性プロファイルは、 これまでに報告されたものと一致しており、 新たな、 あるいは予期せぬ安全性所見は検出されなかった。
セクキヌマブは、 2週間ごとに投与することにより、 良好な安全性を有し、 52週間の投与まで持続して、 汗腺膿瘍の徴候および症状を速やかに改善する臨床的有効性が認められた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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