【Lancet】中等症〜重症の化膿性汗腺炎、 セクキヌマブ2週間隔の投与が有効
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2年前

【Lancet】中等症〜重症の化膿性汗腺炎、 セクキヌマブ2週間隔の投与が有効

【Lancet】中等症〜重症の化膿性汗腺炎、 セクキヌマブ2週間隔の投与が有効
Kimballらは、 中等症から重症の化膿性汗腺炎患者を対象に、 セクキヌマブの有効性を2件の多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検第Ⅲ相試験で検討 (SUNSHINE試験、 SUNRISE試験)。 その結果、 セクキヌマブの2週間隔の投与は良好な安全性を有しており、 52週間持続して汗腺膿瘍の徴候および症状を速やかに改善する臨床的有効性が認められた。 本研究は、 Lancet誌において発表された。

📘原著論文

Secukinumab in moderate-to-severe hidradenitis suppurativa (SUNSHINE and SUNRISE): week 16 and week 52 results of two identical, multicentre, randomised, placebo-controlled, double-blind phase 3 trials.Lancet. 2023 Feb 3;S0140-6736(23)00022-3.PMID: 36746171

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

セクキヌマブはIL-17Aに選択的な阻害薬ですが、 現在の皮膚科領域の研究成果を俯瞰してみますと、 将来的にはやはりmultiple targetが狙いになると思います。

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背景

中等度から重度の化膿性汗腺炎患者に対する治療オプションはほとんどない。

研究デザイン

対象

少なくとも1年間、 中等症から重症の汗腺膿瘍を有する18歳以上の患者

化膿性汗腺炎の患部に市販の局所消毒剤を毎日使用することに同意した患者も含まれる。

介入

両試験において、 患者は以下の群に1:1:1の割合で無作為に割り付けられた。

  • セキヌマブ300mgを2週間隔で皮下投与群
  • セキヌマブ300mgを4週間隔で皮下投与群
  • プラセボ2mLを皮下投与群

主要評価項目

16週後に膿瘍および炎症性結節の数が50%以上減少し、 膿瘍および排出瘻孔数が増加しない患者の割合 (Hidradenitis Suppurativa. Clinical Response:HiSCR)とした。

研究結果

解析対象

SUNSHINE試験

676名の患者がスクリーニングされ、 80% (541名) が解析対象となった。

  • セクキヌマブ2週間隔投与群:181名
  • セクキヌマブ4週間隔投与群:180名
  • プラセボ投与群:180名

SUNRISE試験

687名がスクリーニングされ、 79% (543名) が解析対象となった。

  • セクキヌマブ2週間隔投与群:180名
  • セクキヌマブ4週間隔投与群:180名
  • プラセボ投与群:183名

主要評価項目

SUNSHINE試験

  • HiSCRが認められた患者数は、 プラセボ群 (34%) と比較して、 2週間隔投与群 (45%) で有意に多かった (OR 1.8、 95%CI 1.1-2.7、 P=0.0070)
  • 4週間隔投与群 (42%) とプラセボ投与群の間には有意差はなかった (OR 1.5、 95%CI 1.0-2.3、 P=0.0042)

SUNRISE試験

HiSCRが認められた患者数は、 プラセボ群 (31%) と比較し、 2週間隔投与群および4週間隔投与群で有意に多かった。

  • セクキヌマブ2週間隔投与群:42%
OR 1.6、 95%CI 1.1-2.6、 P=0.015
  • セクキヌマブ4週間隔投与群:46%
OR 1.9、 95%CI 1.0-2.3、 P=0.0022

治療効果の継続期間

治療に対する患者の反応は、 試験終了の52週目まで持続した。

安全性評価

第16週までの優先期間別の最も一般的な有害事象として頭痛が確認された。

SUNSHINE試験

  • セクキヌマブ2週間隔投与群:9% (17名)
  • セクキヌマブ4週間隔投与群:11% (20名)
  • プラセボ群:8% (14名)

SUNRISE試験

  • セクキヌマブ2週間隔投与群:12% (21名)
  • セクキヌマブ4週間隔投与群:9% (17名)
  • プラセボ群:8% (15名)

試験関連の死亡

16週目までの試験関連死亡は報告されていない。

安全性プロファイル

両試験におけるセクキヌマブの安全性プロファイルは、 これまでに報告されたものと一致しており、 新たな、 あるいは予期せぬ安全性所見は検出されなかった。

結果の解釈

セクキヌマブは、 2週間ごとに投与することにより、 良好な安全性を有し、 52週間の投与まで持続して、 汗腺膿瘍の徴候および症状を速やかに改善する臨床的有効性が認められた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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