海外ジャーナルクラブ
6日前

がん研有明病院乳腺センターの西村明子氏らの研究グループは、 CDK4/6阻害薬アベマシクリブと内分泌療法の併用療法後に増悪したホルモン受容体 (HR) 陽性HER2陰性の転移再発乳癌を対象に、 アベマシクリブ継続下で内分泌療法を切り替える治療を第II相試験AGAIN (WJOG14220B) で検討した。 その結果、 主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) 中央値は4.2ヵ月 (90%CI 2.8-4.4ヵ月) であり、 事前に設定された有効性の基準は達成されなかった。 一方、サブグループ解析ではアベマシクリブ継続下でアロマターゼ阻害薬またはタモキシフェンからフルベストラントに切り替えた群のPFS中央値は7.1ヵ月であった。試験結果はBreast Cancer Res Treat誌に発表された。
AGAIN試験への登録前の腫瘍活動性はRECIST基準を用いて評価されておらず、治療前の腫瘍状態を標準化して比較することができなかった点がlimitationです。
ESMO2025発表報告 : WJOG14220B(AGAIN) / WJOG14921B(LUNAR)
postMONARCH試験では、 CDK4/6阻害薬と内分泌療法で病勢増悪後のHR陽性HER2陰性進行乳癌を対象にアベマシクリブとフルベストラントの併用療法を実施した結果、 無増悪生存期間 (PFS) 中央値は6.0ヵ月であった。 ただし、 同試験では前治療のCDK4/6阻害薬がアベマシクリブであった患者の割合は8%にとどまっていたため、 増悪後に同薬を継続する戦略の意義は不明だった。
本試験は多施設共同第II相試験であり、 アベマシクリブと内分泌療法の併用療法後に増悪したHR陽性HER2陰性の転移乳癌を対象とした。 2021年6月~2023年11月に65例が登録され、 うち64例が評価可能であった。 このうちアベマシクリブ継続下で内分泌療法をアロマターゼ阻害薬またはタモキシフェンからフルベストラントに切り替えた患者が28例、 フルベストラントからアロマターゼ阻害薬に切り替えた患者が36例であった。
主要評価項目はPFSで、 副次評価項目は奏効率 (ORR)、 臨床的有用率 (CBR)、 無化学療法期間 (CFI)、 全生存期間 (OS)、 安全性であった。 また、 遺伝子変異に基づくバイオマーカー解析も実施された。
評価可能な64例におけるPFS中央値は4.2ヵ月 (90%CI 2.8-4.4ヵ月) であり、 有効性の基準は達成されなかった。
サブグループ解析では、 アベマシクリブ継続下でフルベストラントからアロマターゼ阻害薬に切り替えた群のPFS中央値は2.8ヵ月 (95%CI 1.9-4.2ヵ月) であったが、 アベマシクリブ継続下でアロマターゼ阻害薬またはタモキシフェンからフルベストラントに切り替えた群のPFS中央値は7.1ヵ月 (95%CI 3.9-11.3ヵ月) であった。
副次評価項目についてはORRが8.7% (95%CI 2.4-20.8%)、 CBRが23.9% (95%CI 12.6-38.8%)、 CFIが6.7ヵ月 (95%CI 4.9-11.0ヵ月)、 OSが28.7ヵ月 (95%CI 25.4ヵ月-推定不能) であった。
著者らは、 「主要評価項目は達成されなかったものの、 アベマシクリブ + アロマターゼ阻害薬/タモキシフェンからアベマシクリブ + フルベストラントへの切り替えは臨床的に有効な選択肢となり得る」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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