海外ジャーナルクラブ
2年前
Suvereinらは、 難治性の院外心停止に対する体外式心肺蘇生法 (ECPR) の効果を多施設共同無作為化比較試験で検討。 その結果、 難治性院外心停止患者において、 体外式CPRと従来型CPRは、 良好な神経学的転帰を伴う生存に対して同程度の効果を示した。 本研究はNEJM誌において発表された。
院外心停止に対するECPRの効果をみた注目のRCTで結果はnegativeです。 その理由としては、 Start of arrest to start of ECLS flowの中央値が73分もかかっていること (通常は60分が一つの目安) が挙げられます。 ただ、 転帰良好20%というのは悪いというよりも良い方と言えると思います。 来院時波形や身体所見など詳細情報がなく、 2次解析結果などを待ちたいと思います。
CPRは、 自発循環のない患者において灌流と酸素供給を回復させるものである。 難治性の院外心停止において、 良好な神経学的転帰を伴う生存率に対する体外式CPRの効果に関するエビデンスは結論が出ていない。
対象は、 18~70歳で、 バイスタンダーCPRを受けたことがあり、 初回心室性不整脈があり、 CPR開始後15分以内に自己心拍再開しなかった患者。
患者を以下の2群に割り付け。
30日後の脳機能分類スコア (CPC) が1または2 (範囲:1~5、 スコアが高いほど重度障害) と定義された良好な神経学的転帰を伴う生存。
30日時点における良好な神経学的転帰での生存 (P=0.52)
患者1例あたりの重篤な有害事象の発生数は、 両群で同程度であった。
難治性院外心停止患者において、 体外式CPRと従来型CPRは、 良好な神経学的転帰を伴う生存に対して同程度の効果を示した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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