海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Gohilらは、 市中病院59施設を対象としたクラスター無作為化比較試験で、 コンピュータによる医師の注文入力 (CPOE) による適正使用バンドルが、 尿路感染症 (UTI) 患者における経験的広域スペクトラム抗生物質の使用に及ぼす影響について検討。 その結果、 広域スペクトラム抗生物質の経験的使用日数が有意に減少した。 本研究はJAMAにおいて発表された。
電子カルテからリアルタイムで標準スペクトルの抗生物質を推奨することにより、 広域抗生物質の使用を安全に減らすことができるとのことですが、 これもいかに一般化できるか (普及できるか) が大切なポイントになります。
UTIは入院の理由として2番目に多い感染症であり、 しばしばグラム陰性の多剤耐性菌 (MDRO) と関連している。 ほとんどの患者ではMDRO感染のリスクが低いにもかかわらず、 臨床医は広域スペクトラム抗生物質を過剰に使用しており、 これを抑制する戦略が必要とされている。 そこで、 CPOEが、 患者および病原体に特異的な MDROリスク推定値を提示することで、 UTI治療での経験的な広域抗生物質の使用を減らせるかどうか評価した。
米国の市中病院59施設を対象としたクラスター無作為化試験。
施設を以下の2群に割り付け、 UTIで入院した非重症成人患者における入院後最初の3日間の抗生剤の選択に、 以下の各介入が及ぼす影響について比較検討した。
主要評価項目
入院後最初の3日間における広域スペクトラム抗生物質の経験的投与日数
安全性
ICU入室までの日数、 入院期間
59病院においてUTIで入院した患者 : 12万7,403例
通常の適正使用支援群と比較して、 CPOE適正使用バンドル群では17.4% (95%CI 11.2-23.2%) 低下した。
率比 : 0.83 (95%CI 0.77-0.89、 p<0.001)
ICU入室までの日数
入院期間
著者らは 「CPOE適正使用バンドルは、 UTIで入院した非重症患者の入院期間やICU入室までの日数を変えることなく、 経験的な広域スペクトラム抗生物質使用を通常の適正使用支援と比較して有意に減少させた」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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