海外ジャーナルクラブ
17時間前

Buonaiutoらは、 転移性乳癌患者における抗TROP-2抗体薬物複合体 (ADC) の有効性とTROP-2発現の関連について、 第II-III相無作為化比較試験5件のメタ解析で検討。 その結果、 抗TROP-2 ADCは化学療法と比べてTROP-2の高発現群と低発現群のいずれにおいても無増悪生存期間 (PFS) を延長し、 かつ効果量は高発現群で大きかった。 解析結果はJ Natl Cancer Inst誌に発表された。
対象となった試験が5試験、 1,879例に限定されており、 特に乳癌サブタイプ別・TROP-2発現別の解析では症例数が少なく、 推定精度が低下する可能性があります。
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乳癌を含む複数の腫瘍で発現するTROP-2 (trophoblast cell surface antigen 2) は、 ADCの標的分子であり、 転移性乳癌では抗TROP-2 ADCの有効性が示されている。 しかし、 TROP-2の発現レベルによって抗TROP-2 ADCの臨床的ベネフィットにどの程度の差があるのかについては明らかになっていない。
TROP-2発現レベルと抗TROP-2 ADCの有効性の関連について検討するため、 2015年1月~2025年9月に実施された第II-III相試験のうち、 抗TROP-2 ADCによる治療を受けた転移性乳癌患者を対象とする試験のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。 各試験が定義したTROP-2発現レベルに従って、 無増悪生存期間 (PFS) のハザード比 (HR) と95%信頼区間 (95%CI) が抽出された*。
解析対象となったのは無作為化比較試験5件 (ASCENT、 TROPiCS-02、 EVER-132-002、 OptiTROP-Breast01、 TROPION-Breast01) で、 抗TROP-2 ADCまたは化学療法による治療を受けた1,879例が含まれた。
解析の結果、 全体集団において抗TROP-2 ADCは化学療法と比べてTROP-2の高発現群 (HR 0.34, 95%CI 0.20-0.57)と低発現群 (HR 0.63, 95%CI 0.50-0.79) のいずれのサブグループにおいてもPFSを有意に改善した。
トリプルネガティブ乳癌 (TNBC) でも同様に、 TROP-2の高発現群 (HR 0.27, 95%CI 0.20-0.37, p<0.001)と低発現群 (HR 0.46, 95%CI 0.33-0.64, p<0.001) の両群で抗TROP-2 ADCによるPFSの改善が認められた。
一方、 ホルモン受容体陽性/HER2陰性 (HR+/HER2-) の転移性乳癌では、 抗TROP-2 ADCによる有意なPFSの改善はTROP-2高発現群のみで認められた (HR 0.56, 95%CI 0.47-0.68, p<0.001)。 また、 全てのサブタイプでPFSの改善の程度はTROP-2高発現群の腫瘍でより大きいことが示された。
著者らは、 「抗TROP-2 ADCは転移性乳癌患者のうちTROP-2の高発現群と低発現群の両群でPFSを改善したが、 効果量は高発現群でより大きかった。 この結果は、 患者選択および治療方針の決定の最適化に向けて、 標準化された臨床的意義のあるTROP-2検査が重要であることを示している」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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